※下に行くほど新しいです
**
さらさらと流れる小河の音に耳を傾ければ
何処からともなく子兎がやってきて
小さな愛らしい尾を揺らしながら、ウルんだ瞳で僕を見た
静かに湧きあがる加虐心は、ゆっくりと僕を侵食して行く
しかしか弱き小さなその体、僕には取るに足りないものだから
そっと静かにその小さな白をだきしめた
小さな白い子兎は、僕に身を委ねる様に、腕の中でスヤスヤ眠る
周りに響くは小河のせせらぎ
風に匂うは暖かな音
**
愛していると言ったら、君は控えめに僕を笑った
抱き締めたいと言ったら、君は引きつった表情で僕を笑った
一生側に居たいと言ったら、君は辛そうな表情で僕を笑った
一緒に死のうと言ったら、君は狂っていると僕を笑った
刃物を付きつけたら、もう君は笑わなかった
**
傷付いた体は癒せても、心までは癒せない
冷淡な眼差しで僕を見つめて、君は静かにそう言った
**
囁きかけた唇が微かに震え、その口から零れ落ちた言葉を一つ一つ拾い集めた
ああ、どうか全ての言葉が零れ落ちません様に
どうか何時までも、その口で愛を叫んで
**
一つ一つの文字はまるで命を持つ様に、生きる世界へと私を誘う
書き連なる黒き文字の集まりが、夢の入口へと人を案内してくれるのだ
君が深い夢に落ちるまで、残り1秒
**
アゲラータムの誓い
騎士は主に、自らの忠征を誓うためにキスを送り
主は騎士に信頼の証しとしてアゲラータムの花を贈った
**
鳴り響くは永久の音色
立ちあがる新芽息吹く命の誕生なれば、いずこより聞こえし喜びの声
鳴り響く歓喜の歌声は
元より春の訪れを祝うなり
**
終わらぬ夢に打ちひしがれて、僕は遠く旅に出る
千度の夢が訪れて、千度の夢は過ぎてゆく
時が永久(とわ)に止まらぬ事と同じように
夢もまた、止まる事を知らない時のよう
**
繋いだ手、怖くないよと言い聞かせ、目の前に広がる景色を眺めた
川に掛かる橋を渡って向こう岸まで行ったなら、皆が待っているのだろう
進め始めた足の行方は、しかし君の声に立ち止まる
振り向けば何も無い虚無に引き戻されて
戻った朦朧とした意識の中、それでも私は彼を見つけた
**
もしも君が涙を流して
僕を見つめてくれるなら
僕はきっと喜ぶだろう
君が悲しみ苦しみ覚えていたとても
僕は君を愛するだろう
もしも君が僕という存在を嫌うなら
僕は君に幸せを送るだろう
永遠に僕の物である印に
死を持って成せる幸せを
**

**





[TOPへ]
[カスタマイズ]




©フォレストページ