* お題他 *

□『ヤキモチ焼きな恋人』
1ページ/1ページ



妄想お題をだしたー 『ネクタイをゆるめた状態でソファに押し倒されて動揺している御幸一也を妄想してみよう。』 をお借りしました。

御亮。お付き合いしたてですが色々経験済みっぽい雰囲気。
ヤチモチ別人亮介さん・御幸視点


夏の予選大会準決勝後の稲実との遭遇に絡めてますので、アニメ派の方にはネタバレを含みます。
ネタバレとしての重要度は低いのですが、これから出てくる人を巡ってのお話なのでアニメ派の方には少々不向きなお話です;(オリキャラと思ってもらうしか;)

あとソファはないのでカーペットで^^;













えっと、これはどういう状況?

おもむろに俺の部屋に上がりこんだ恋人に瞬く間に押し倒された。
ちょうど着替えようとしたところを襲われて、さすがの俺も面食らう。

それでも「え?俺、頂かれちゃうんですか?」なんて冗談を飛ばそうとして……見上げた顔を見てやめる。とてもそんな雰囲気じゃない。


「あの、亮さん?」
「うるさい」
「ハイ」


とりあえず様子を伺おうと思った途端ピシャリと凄まれ条件反射で背筋を伸ばす。
っていうか恐怖の小湊先輩にネクタイを掴まれて馬乗りになられたら誰も何も言えないでしょ。

でも、これでも俺彼氏だし。なり立てとはいえ彼氏だし!びびってばかりもいられない。


「いやあの?」
「…知り合いだったんだ?」
「はい?」
「そりゃ同い年だし?どっちも都民だし?投手と捕手ならチェックしてても不思議じゃないけど?」
「えと、誰のこと」
「成宮に決まってんだろ!」


あー…なるほど。
でも何でこの人が怒るわけ?
しかもいきなり乗り込んで来るとか、理由がさっぱり解らない。


「確かに知り合いですけど、別にそれだけですよ?」
「稲実に誘われた癖に」
「うっ!」
「下の名前で呼び合ってる癖に!」
「ええっ」


何故そんなことまでバレてんだ!?と考えて一瞬で答えが出た。

『小湊弟』

アイツめ、俺と亮介さんか不仲になればいいと思ってチクったな!


準決勝後のやり取りを覗かれていたとは完全に不覚。
うまく隠せたと思ったけど、俺を貶める弟のアンテナを見くびっていた。

可愛い顔の下の悪魔の本性に内心舌打つがアイツのことは後回し!
今は俺の上にいる怒った顔で泣きそうな人を宥めるのが先決だしな。


「昔からの知り合いだって黙ってたことは謝ります。でも本当にそれだけですから」
「ふうん、そうなんだ」


にっこり。と笑顔が返ってくるがこの人の場合笑顔=納得ではない。むしろ逆の方が多いぐらいだ。


「…信じてませんね」
「当たり前だろ」


間髪空けぬ否定に泣きたくなる。
なんなんだろう、この信用のなさは…。

で、あれば。


「ちょ!御幸!?」


ため息を吐きたいのをこらえて下からぎゅっと抱き寄せる。
驚いた亮さんが一瞬目を見張ったのが見えて、少し得をした気分になった。


誰の前でも冷静さを崩さないこの人が、俺の腕の中で動揺してる。
成宮と知り合いだった、というだけで単身駆け込んで問いただす。

少し前ならありえない状況に俺はにやけが止まらなくなった。

そりゃ、許して貰えなかったらヤバいことになるわけだけど、この人を哀しませるような事実は全くない。
であれば今から一つづつ、この腕の中の愛しい人の誤解を解いていけばいいだけだから。


「放せって!」
「亮介さん」
「…何」


やや改まった呼び方に抵抗の手が少し止まる。
その隙に尖った唇にちゅ、と軽く口づけた。


「っ、こんな時に…!」
「だって亮さんってばヤキモチとか…可愛すぎるでしょう!」
「な…!ヤキモチじゃない!俺は野球部の先輩として、敵と通じてたらただじゃおかないと思って!」
「何年も野球やってたら同世代は知り合いばっかじゃないですか」


同県出身として、純さんのことを知らなかったとは言わせない。
その証拠に亮さんの眉がぴくりと動いた。


「知り合いなのも事実です。稲実に誘われたのも事実です。でも俺は青道で野球をやりたくてここに来ました」
「……」
「結果、先輩達や仲間と出会えた。亮さんと出会えた。俺は正しい選択をしたと思ってますよ」


ニッと笑ってみせれば亮さんが複雑そうに唇を歪めた。
誤解だったバツの悪さとか、不覚にも照れてしまった悔しさとか、そんな色々が混ざったような表情を見上げているとあっという間に改められてしまった。
そして体を起こすといつもの先輩の顔に戻ってしまう。


「ともかく、軽はずみな行動は避けること」
「はい」
「じゃ、それだけだから。…ってドコ触ってんの?」
「え?せっかくだからイイコトしたいなぁって」
「俺に練習サボれってこと?」


さわ、と腰を摩った俺に亮さんが氷点下の微笑みをプレゼントしてくれる。
ですよね、と手を放せば意外や意外、亮さんから体を傾けてきて、


「いてっ!」
「バーカ」


条件反射で目を瞑った俺の両頬をぎゅっと摘んでから、唇に軽くキスしてくれた。













「どうしたよ、その顔!」
「モテる男の勲章かな」
「チッ」


練習がはじまる時間になっても赤く残った指跡に倉持がちょっかいをかけてきたので、小湊弟にも聞こえるように言ってやれば逆効果だったことに気付いたブラコンに舌打ちされた。









-オワリ-





久々の御亮です。誤解して乗り込んじゃったので最後はちょっと甘めの亮介さんでしたv

と言うかですね、書き終わってから気が付いたのですが、皆御幸と鳴ちゃんが知り合いなことはもっと前から知ってましたよね;
あと珍しく黒はるっち…。可愛い春っち好き様には申し訳ありません(ドキドキ)



最後までお読み頂きありがとうございました^^

  Clap
 ⇒感想、要望等ありましたら一言お願いします。頂けると励みになります!


2014/1/20 ユキ☆


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ