* お題他 *

□『痛いの痛いのとんでいけ』
1ページ/1ページ



140文字で書くお題ったー 『貴方は御春で『痛いの痛いのとんでいけ』をお題にして140文字SSを書いてください。』 をお借りしました。


タイトルの割にシリアス。
秋の大会準決勝後(成孔戦後)、寮に戻ってきてからの御幸とはるっち。

本誌最新のネタの為、アニメ派、単行本派の方にはネタバレがあります。
ネタバレ厳禁の方はブラウザバックをお願いします!









明日の対戦相手が薬師に決まり、寮に戻ってきた途端背後から春市が追いかけて来た。


「待って下さい!」
「ん?春市から声掛けてくれるなんて珍しいじゃん」
「そういうんじゃなくて…!」


ちょっと怒った顔で辺りを伺った春市に、人気のない自販機奥へと連れ込まれる。
これだけで何で呼び止められたのか解ってしまった。いや、確信したって方が正しいかな。


「さっき試合中に肩か背中を痛めましたね?」
「んなワケないっしょ」
「ふざけないで下さい…!」


この夏の決勝で兄亮介さんが怪我を押して試合に出たことを思い出しているのだろう。
いつもと違う、怒りと心配で蒼白になった春市を安心させてやりたくて「任せなさい!」とガッツポーズを決めれば逆に毛を逆立てた猫のようになってしまった。


「医務室に行きましょう」
「え、ヤダよ。大したことねーのに包帯だらけにされちまうじゃん」
「そういう問題じゃ」
「これが最期のチャンスなんだ」
「、だからって!」
「頼む」
「っ!」


端から騙しきれるとは思っていない。

降谷には見破られた。倉持もいぶかしんだ顔をしていた。
その2人にバレるぐらいだ、遅かれ早かれ恋人である春市も気付くだろうと思っていた。


あの時のクロスプレイで体を痛めたのは確かに事実。
でもだからって選抜に出る最後のチャンス、つまりは監督を引き止める最期のチャンスを不意にするわけにいかないって解るだろう?

降谷の出場も危うい。俺も体を痛めている。
そんな状態で轟達薬師相手に勝てるのか?

あと一試合なら何とかなる。
決勝が終わったら病院でもなんでも絶対に行くから。


「頼む」


想いを込めて見つめると、春市の顔がくしゃりと歪む。

心配と、俺の決意と、皆の気持ちと、自分の感情。
その全部の狭間で何を言ったらいいのか解らなくなって、唇を強く噛みしめる。


「ごめん」
「…まだ見逃すなんて言ってません」
「え。そなの?」
「当たり前じゃないですか!」


キッと一度睨み上げ、次いで俺のユニホームの端を軽く握って俯くと、今度は担いだバッグを奪い取る。


「とりあえずこれは俺が運びます。あとで部屋に行きますから、ちゃんと見せてくださいね?」
「その時、痛いの痛いの飛んでいけーってやってくれる?」
「…!!」
「嘘!嘘です!ごめんなさい!」


怒りで爆発しそうな春市の鋭い瞳に慌てて俺は両手を合わせた。


軽く言ったものの、痛みはまだ続いている。
この様子では本当に明日の試合に出られるか解らない。

そもそも春市に見せた時点で医務室に引っ張っていかれる可能性が高いし、ひとつの無理が悪化に繋がる事も解ってる。

それでも目の前の試合にしがみついてしまうのは、俺が先を見通せていない証拠であり、きっと自分がいないとどうにもならないに違いない、という驕りでもあるのだろう。


両肩に掛けたスポーツバッグを握りしめ、心配そうに俺を見上げる春市にニッと笑うと肩を抱く。
軽く促して歩き始めた部屋までの道は、いつもよりも少し長く感じられた。





-オワリ-







はるっち可愛いですね!御春可愛いですね!
地道に御春布教中ですが、御春の素敵さを表現しきれなくて悔しいです!

ところで「痛いの痛いの飛んでいけ」ですぐにこの話が浮かんだのですが、シリアスっぽい話にどうねじ込もうか…と心配する必要ないぐらい簡単に入りました。
さすがギャグもシリアスもいける男、御幸さんですね!(大好きです)

でも御幸さん!怪我してるよね?なら無理しちゃダメなんだよ!><;


きっと今回は、倉持辺りが(ここから予想と言う名の会話文が長々と続きます)


「お前…。怪我してんだろ?」
「何言ってんの?んなワケねぇじゃん」
「ふざけんな…!てめぇがいねぇぐれーで俺達が負けると思ってんのか!?」
「…」
「自惚れんのも大概にしろよ?お前がいなくても勝ってやるから大人しくベンチに引っ込んでろ!」


ってなって、ノリ辺りが


「俺、そんなに頼りないかな」
「ノリ…」
「大丈夫!御幸はいざって時まで休んでてよ!俺と沢村で頑張るから!」


って天使っぷりを発揮して、白州さん辺りが


「たまには俺達に任せろ」


と寡黙に言って、聞くまで気付かなかったゾノ辺りが


「何!?怪我しとんのに出る気だったんかい!ええか!?お前がいないぐらいで負ける程ワシ等はヤワじゃないんじゃ!」
「あ、それ俺言った」
「ぐっ。ともかくワシ等がそんなに頼りないんか!?」
「それは俺が言った」
「なっ。ええい!いいからワシ等に任せて大人しくしときゃええんじゃ!」
「それは俺が言ったな」
「っっ!!」
「わっはっは!…そうだな。今回はお前等に任せる。情けない試合してたらすぐに出てくからな!頼んだぜ」


みたいな感じで二年でわちゃわちゃやって、ベンチスタート(又は途中交代)するのでしょう!!
本文以上に長くなった?わー!すみません^^;

ほんとはね、二番手キャッチャーさんを出したかったんだけど名前がね^^;キャラがね^^;
宮ちゃんぐらい濃ければ忘れないんだけどなぁ(ごめんなさい!!!!)



どうでもいい本誌予想までお読みいただき、本当にありがとうございました!^^;


  Clap
 ⇒感想、要望等ありましたら一言お願いします。頂けると励みになります!


2013/12/16 ユキ☆


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ