* お題他 *

□『本音』
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亮介視点・続き・御→←亮







やっちゃった…。


御幸の部屋を出た途端、どっと疲れてため息をつく。

さっきのアレは多分事故。御幸がたまたま足を滑らせただけで、しかもその原因は俺が食べたポッキーの子袋に足が乗ってしまったから。
むしろ俺も謝るべきで、怒るなんてお門違い。しかも咄嗟に動揺しちゃうとかありえない!

っていうか、手の甲にキスしてくるとか何考えてんだろ、あのバカは!


『すんません。亮介さんが綺麗だったもので』


キスだけじゃない、その後の言い訳まで蘇ってきて不本意ながら顔が赤らむ。
更に、

『俺が亮介さんだけだって知ってるでしょう?』

とか良く言えるよね、御幸のヤツ。


立ち止まって手の甲を押さえる。
ディズニー映画の姫にするみたいな恭しいキス。
眼鏡の下の目を縁取るまつげが思った以上に長くて頬に影を落としていた。


って何考えてんの俺!!!!


御幸が綺麗な顔をしていることは知っている。やたらモテるのも知っている。
ムカつきこそすれ見惚れるなんて冗談じゃないけど、あの顔であの目でまっすぐ見られると居心地が悪い。

先輩後輩だからとか、予選前の大事な時期だからとか。
今応えられないくせに側にいると楽しいとか。
もう少し強引に迫ってくればいいのにとか。

矛盾だらけの本音を見抜かれてるようで落ち着かない。



「何やってんスか?亮介さん」


内心モヤモヤ頭を抱えていた俺の背中から声が掛かる。
いいところにやってきたのは一つ下の相棒。倉持。


「ちょうど良かった。倉持、練習付き合って」
「へ!?俺、今から中田とゲーム…」
「付き合うの?付き合わないの!?」
「つ、付き合います!!」


慌ててきびすを返す倉持には申し訳ないけど、もう体を動かして発散するしかないじゃない!


そう決意したものの自分の意思ではどうにもならい溜息が口から零れて、温い外気の一部になる。
こんな風に俺の暴言や失態も消えてしまえばいいのにな。

なんてあるわけないことを思いつつ、バッドを取りに部屋に戻った。






-オワリ-








これも御幸Verを280字ぐらいにまとめようと考えはじめ、結果的に短文になりました。
サラサラ書きすぎにも程がある!と思いつつ書ける時にはどんどん書こうと思ってます。
捻りないけどねー;

そうそう、うちの御亮と言えば御幸の片想いが定番ですが、いよいよ亮介さんも御幸に惹かれはじめたようです。
両想いまであと少し!かもよ!笑



最後までお読み頂きありがとうございました^^


2013/10/10 ユキ☆


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