* お題他 *
□『妄想検定2』より、倉←春
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エムブロさんからバトンお借りしました。
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2つあるお題のうち一つだけお話しになったのでアップです^^
妄想検定2
妄想力に自信のあるあなたへのバトン!
◆注)薔薇向け
◆次のテーマやセリフから妄想を繰り広げ、簡単な文章(会話でも短文でも)にしてください。
妄想スタート!
1)
・Aと双子の兄弟
・Aが片思い中の双子の兄には彼女がいる
・Aのことが気になる双子の弟
・『俺じゃ、ダメ?』
→じゃあ私らしく『A:倉持(笑)』『兄:亮介さん』『弟:はるち』『兄の恋人:純さん(笑)』で!
(つまり、純亮←倉←春です。純亮出てきませんけど…)
ではスタートです^^
「亮介さん、さっきのバウンドなんスけどー…って、アレ?」
練習後、くるりと振り向いた倉持はキョロキョロとあたりを見回した。
後ろでボールを拾ってるはずの人を探して…、口の中で小さく舌打つ。
ついさっきまでそこにいたのに、気づけばもう遠くに出来た群れの中で笑ってんだもんな。
鉄壁の二遊間。最高の相棒。先陣きってチャンスを作る一、二番。
自分にとっては大事な大事な人だけど、あの人にとってはただそれだけ。俺はそんだけの相手だと否(いや)が応にも気付かされる。
…んだよ。練習終わったら用ナシってか?
面白くない以上にこみ上げてくる寂しさを放り投げるように、拾ったばかりのボールを真上に向かって高く上げた。
「…やべ」
日が落ち始めた空があっという間に白球を呑み込み、真上に上げた筈のボールが茜に染まる。
感覚的に落ちてくるのは自分の真上。だけどもし狙いが外れたら?
無防備な誰かに激突したらマジでやばい。倉持は目を凝らして空を見上げ―――。
バシッ。
グラブにボールが収まる音に反射的に顔を向けると、緩い軌道を描いて白球が迫っていた。
「うおっ」
「ナイスキャッチ」
上からではなく、横から飛んできたそれを掴んだ倉持に、ボールを投げた体勢のまま後輩が微笑む。
青いキャップ。
汚れた練習着。
小さな身体。
憧れのあの人と同じ、茜に染まった薄い髪色。
「小湊…弟」
「でも実はノーコンだったんですね、先輩って」
「…るせーよ」
自分の真上どころか2メートル程横の小湊の上に落すとは。
顔をしかめれば後輩が笑う。
あの人と同じ声で、あの人みたいに嫌味ったらしく、でもあの人と違って自分の傍で、
あの人の弟が顔を上げた。
「ね、倉持先輩」
「…あ?」
「今、比べてたでしょう?兄貴と、俺」
「は、はあぁ?」
「隠さなくても。解りますよ」
「別に、んなんじゃねーよ。てかお前と亮介さんは全然違うだろ」
「そうですか?」
無意識を見抜かれた気まずさに、おう。と頷く声が少しだけ上ずった。
だからそれを誤魔化すために倉持は早口になる。
「大体よ、お前だからそれで済むけど、亮介さんの上にボール落としてみ?『ノーコン』どころじゃ済まねぇぜ?」
「ですね。殺されるかも」
「だろ?とりあえず殺人チョップくれられて、嫌味の嵐。それで何日いびられることか」
「三日ぐらい、ですか?」
「ヒャハハ!それで済めばいいけどよ!」
想像して倉持は吹き出す。
あの人の言いそうなこと、あの人のしそうなこと。
面白いぐらいにするする飛び出す。
それは自分が亮介さんのことばかり気にしてるからだ。
嫌なことに気がついた倉持は、小さく舌打つと沈んでいく太陽に顔を向けた。
眩しさに目をすがめれば遠くで笑うあの人からも眼を背けられる気がした…なんて、あるわけねーのに。
「せん、ぱい」
ぼんやりしていたから、すぐ隣からかけられた声に、はっとする。顔を向ければ思った以上の近さで弟くんがにこりと笑った。
「――、―――――?」
唇がゆっくりと動く。でも何を言われたのか解らなかった。
なのに瞬間的に、心が訳もわからずグラついた。
それでも実際に一歩下がらなかったのは、先輩としてのプライドか、それとも足が竦んだだけか。
「んだよ」
ぐ、と堪えた倉持に、春市はバッターボックスで見せる真っ直ぐで挑戦的な瞳のまま、
「…いいえ?また今度にしておきます」
首を傾げて綺麗に笑った。
でも多分、気のせいじゃない。
『俺じゃ、ダメですか?』
そう囁かれた気がしたのは。
-オワリ-
純亮←倉←春 でしたが、純亮は全然出てきません^^;
片想い倉春って可愛いくて好き♪今回のはるちはハンターですけどね(笑)
最後までお読み頂きありがとうございました^^
2013/05/09 ユキ☆
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