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森のフォーラム

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Re:短編小説

[ID:ayu1126]

「すきだ」

何千、何万回と口にした言葉を、飽きもせずまた吐き出す
きゅう、と締め付けられたように痛む胸から、掠れた声にのせ、淡紅色の薄い唇を震わせて
絞り出すように、懺悔するように

「すきだ」

ラピスラズリの瞳を潤ませ、頬を林檎色に染めた目の前の顔を見つめる
ほわほわ、ゆらゆら、ふらふらと、揺れ動く気持ちのままに、そっとそっと
甘くて、柔らかそうな、淡紅色の花が

「…すき」

ふわふわと、触れて、溶けて、重なって
逃がさないように、慈しむように、優しく啄む
すぐそばにラピスラズリが、上気した林檎色が
ちらちら揺れて

「…冷たい」

突然、さめて、そっとそっと離れた
ぼやけた視界に、ラピスラズリが写り込む
触れたかった
のろのろと伸びた手が、もうすぐ―…



……―かつん、



「…つめたい」

かつん、

「かた、い…」

かつん、

「……さわれ、ない」



……―がしゃん、



「すきだ」

また吐き出す
ラピスラズリと、林檎色
割れて粉々の、偽物の色

「すきって、言ってよ」

偽物の顔
割れた鏡に写ったのは




よく似た偽物の、醜い自分




−−−−−−
本館サイトの双子
姉に恋した弟が鏡にキスして割るだけの話

本館はギャグだからこんなの書けないので書けて満足

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