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森のフォーラム

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Re:短編小説
氷夜
[ID:hiine06]
「ひまじゃ」
「知らないよ」

私はかたかたとパソコンのキーボードを打ちながら、投げやりに返事をする。
すると彼が背後でゴロゴロと転がりはじめた。
埃とかが飛ぶからやめてほしい。

「だってさあ、構ってくれねーじゃん」
「いま趣味のことやってるもん」
「お前、俺と趣味のどっちが大切なの?」
「ありきたりな質問に、ありきたりな答えを返してあげる。趣味だ」

しれっと言ってのけた私に、彼は頬をふくらませて起きた。

「笑えねー……」
「けっこうおもしろいと思うけど」
「だいたい、趣味ってなにやってんだよ」
「うわ、バカ、見るな!」

彼が近寄ってきてパソコンの画面を見ようとするので、私はあわてて自分の身体で画面をおおった。
彼は、もちろん不機嫌になる。

「……いいだろ、別に」
「い、いやだ。絶対にいやだ」
「お前、俺に勝てると思ってんの?」
「うぐう……」

彼は男、私は女。明らかに体格も力も違う。
けっきょく私は負け、パソコンをとられた。

「へぇ〜、短編小説に、詩に、歌詞……」
「もういいだろう……返してくれ」
「お、掲示板なんかにも書いてやがる」
「ぎゃー!」
「別窓にしてたって無駄だぜ。いま書いてたのは……なぁーるほど」

これだけは、見られたくなかった。
この短編小説だけは、ぜったいに。

「俺とのこと、書いてくれてるんだ?」
「だ、だって、ネタがなかったんだもん」
「え? じゃあ、ノートに書きだめしてるアレはなに?」
「……それは、別の方!」
「じゃあ、ルーズリーフのやつは? iPodのメモ帳は? ワープロは?」
「ちょっと待て。なんでそんなに知ってんだよ」
「君のことだよ? 知らない訳がない」

ここでにこっと笑うのもウザったい。

「あんなに書いてるのに、俺のことね〜、ふ〜ん」
「だったらなによ!」
「……愛されてるねえ、俺って」
「〜っ! もうお前うるさい! パソコン返して!」
「はい、どうぞ」

パソコンはあっさりと返され、彼はまた転がりはじめた。
私は書こうとしていた短編をぜんぶ消し、別のやつを書きはじめる。
こいつに見られた小説なんて、恥ずかしくて書けやしない。


だから、いま書いてるこれも、見られないようにしなくちゃ。
彼に見つからず、彼のことを書けるのは、ここだけなんだから。





***
勝手にスレをネタにしてしまって申し訳ございません。
これは私の解釈ですが、私と彼は恋人ではありません。
けれど、家族でもありません。友人でもありません。
恋人未満、親友以上を目標に書いてみました。できたかどうかは分かりませんが(笑)

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