以下の質問内容について「ルール」に反していると思われる部分を選んで下さい。
ご連絡いただいた内容が、弊社以外の第三者に伝わることはありません。
Re:短編小説
日向
[ID:578511b]
「先輩の、す、好きなタイプってどんな人っすか」
放課後。部室。二人きり。
私は知ってる。この3女に人気の新入生が私を好きだということを。
「年上の人」
嘘だけど。
後輩君は知ってる。私が彼の気持ちに気づいて尚、彼に興味がないことを。
ああほんと。入学当初から子犬のように懐いてくれた彼を私は私なりに気に入っていたのに。残念。
君はかわいい後輩だから思わせぶりな態度は取らないよ。そんな私は優しい先輩。
「うそ!こないだ準と腕くんで帰ってんの見たんス!」
「(マジでか…)
や、まぁ準太はタイプってわけじゃないし」
「安田とキスしてたのは?」
「(そっちもか!)
タイプじゃないよ。あー…気分?」
「なんスかそれ」
そうその時はそういう気分だっただけのこと。そういう気分でホテルまでいっちゃっただけのこと。私は男癖が悪い。どうしようもない、自分でも思う。こんな女はやめておけ。
「俺じゃダメですか」
「うん」
「なんで!」
「……年下だから」
エンドレスループ。
この問答も何度目よ。終わりがない上に報われないって早く気づけばか。
「先輩、俺諦めませんから!」
「……………勝手にすれば」
だからね。もうお願い。
入学当初から私を好いてくれてる君が私は、気に入ってたんだよ。ずっと。
私が断ってるうちに。早く。
はやく私を嫌いになって。
戻る