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森のフォーラム

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Re:短編小説
狂花祐成
[ID:mikadukisaki]


【Kの方程式】


午前二時。とある学園の生徒会室にて。
机の上には散らばった[―祭計画書]や[次の生徒会役員選挙について]…など、様々な書類が無残にも置かれている。否、置かれているではなく、ばらばらの状態で放置されている。

その書類たちの近くにある紅茶のカップ。その中にはわずかに紅茶が残っているが、冷めかけていた。


「…ちょっと、聞いてる?」
「あーはいはい聴いてる」


ぼー、と窓の外を彼は見つめていたが、少し拗ねたような口調の彼女の声に、また強制的に視線を向けさせられるのである。
心の中でため息を一つ。彼はまだ続くであろう彼女の愚痴を聞く羽目になる。


「だからさー、あの会議つまんなくね?もうやだよね、何で私生徒会長なんかになったんだろ。やだなあ本当、もうやだよ辞めたいよ。実家で農作業したいよ」
「お前の実家田んぼなんてない大都会だよな。農作業なんてしたことないよな」
「馬鹿、気分だよ気分」


まったく馬鹿だなぁ。とついついツッコんでしまった言葉に対して言われ少々彼はいらっときたが、我慢をすることにした。彼女の実家は東京のど真ん中だ。(ちなみに、ここは寮制である)
それから必然的に起きる沈黙。彼女はくるくると自分の髪を指先に巻きつけ暇そうにしていた。
気まずいわけでもない。静かな時間がこの生徒会室を包む。
…しかし、まだまだ彼女は喋り足りないらしい。
再び足を組み彼に向って口を開いた。こうして彼の一瞬の安らぎ(静かな時間)は粉々に粉砕される。


彼女は変人だ。

彼は頬杖をつきながら、目の前の彼女…基幼馴染、生徒会長に向って思う。声にこそ出さないが。
幼い頃からそんなこと理解していたが、毎日のように思うことで。ようやく少し慣れてきた自分が少し悔しい…と彼は思う。


頭脳も完璧、運動もそこそこ出来る彼女。
しかし性格に問題がある。…そして彼は巻き込まれる。

彼は生まれたときから(つまり17歳だから、17年)彼女と共に過ごしてきたが、その言動は未だ理解不明。
生徒会長になった理由が面白そうだから。
そしてなった途端面倒くさいと愚痴りだす。
好きな異性もいなく、とくに趣味もない。特技といえば早寝早食い。
将来の夢が公務員。しかも、それは小学生の頃から丸っこい時で「こうむいん」と七夕の短冊に書いているのだ。1年生から。


「聞けよ」
「いだっ」


すぱーん、と本の束で頭を叩かれ彼は痛そうに叩かれたところを擦る。
実にいい音がした。彼女は少し満足そうにする。最悪だ。

お人よしな彼は特に怒ることもなく、ぶつぶつ言いながら一つ欠伸をする。


「もうお腹空いた。奢れよ駅前のカフェで。私あそこの特製ケーキね。あとコーヒー」
「はいはい…」


自己中心的な彼女の行動にはさすがにもうなれた。というより逆らえない彼なのだが。
鞄を抱え、生徒会室を足早に出て行く彼女を、彼は追っていった。


「(あれ、てか俺金ねえや…)」
「金ないとか言ったら蹴り飛ばすからね」



【Kの方程式】
((私の傍にいて命令にはちゃんと聞いて毎日ケーキを奢りなさい))
(彼の全て=彼女)
苦労人な彼と自己中心的彼女の方程式。



+++
友達以上恋人未満
…あれ、これは変人ではなく女王様?^p^

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