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268件のレスが見つかりました
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投稿者 親記事
[記事No.326462]短編小説

まなか
ID:[shiroikotori]
PC
投稿日時:04/03 19:27

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 ま、間違って短編小説スレッドを削除してしまいました……!!
 本当に本当に申し訳ない。消してしまった作品の作者様にお詫び申し上げます。

 また作りますので、また投稿していただけると嬉しいです。すみませんでした。

 一つのレスに収まる長さの短編小説を書きましょう。
 投稿は何度でも大歓迎です。連続投稿も可能。気が向いた時に参加してください。
 スレ主も頻繁に出現します。

投稿者 スレッド
[記事No.451113]Re:短編小説

夏子
ID:[578511b]
TS3R
投稿日時:07/20 03:55

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記事No.326462への返信
彼女が好きだ。
朝から晩まで、朝起きた瞬間から夜布団に潜って夢うつつの状態から完全に意識が落ちるその瞬間まで、いやいや寝てる間だって夢で見るんだから、文字通りいつも、常に、24時間彼女のことを考えてるくらい、大好きだ。
外見はもちろん。髪の生え際の感じや爪の色形、欠伸をかみ殺す仕草。
内面を知ってもっと。ゴミを20に分別する神経質。暴力的な愛情表現。ぜんぶ、好き。
知れば知るほど好きになった。


彼のことが好き。
すきすき大好き!もうこれでもかってくらい全力で愛しちゃってる。静かな部屋で雑踏の中で耳を済ませばいつでも彼の声が聞こえてつい返事をしちゃうくらいだし、彼の写真を四六時中見てたからか最近は若い男はみんな彼の顔に見えてきた。これってマジ愛じゃない?
首から鎖骨にかけてのラインや裾からたまに見える踝、電話のとき声のトーンが上がるとこ。
もちろん外見だけじゃない。
鏡を見るのが好きなちょっとナルシストなところも、わがままで友達がいないところもぜんぶ!
知れば知るほど好きになった。

ほら!ボクら相思相愛の素敵なカップルだよね!



すみません。オチなんてない。
[記事No.448735]Re:短編小説


ID:[ayu1126]
P08A3
投稿日時:06/10 21:58

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記事No.326462への返信


「……え、マジで?マジでやんなきゃダメなの?」

「当たり前でしょ、授業なんだから。つか先生にため口きくなよ。」


本日は快晴なり。
雲の一つもない澄みきった蒼い空には、ジリジリと照りつてくる太陽が輝いている。
時間はお昼を少し過ぎた頃。
給食を食べ終わり、少々眠たくなってくる時間帯だ。
だが、眠ることは許されない。
というか、できない。
何故ならば、現在体育の授業中だからだ。
しかも水泳。
もし居眠りでもしようものなら溺れてそのままお陀仏だろう。
そしてめでたく学校の階段の仲間入りだ。
間違ってもそんな事態には陥りたくない。

さて、私のように品行方正な模範生徒が先生にため口をきいた理由はというと。


「いやいやいやいや帰宅部に飛び込みさせるとか「死んでこい☆」って言ってるようなもんでしょ。マジで死にますからね?死にますよ?死んでやる!」

「最後完全に脅しじゃねぇか!いいからさっさと飛び込めよ帰宅部!」

「チクショーッ!先生なんて世界中のネコさんに威嚇されてから死ねばいい!」

「何それすっごい傷付く!」


と、まぁ、こういう理由だ。

水泳部ならともかく、運動なんてちっともしない帰宅部に飛び込みをやらせるなんて…。
そうか、先生は私を溺死させる気なのか。
そう思わざるをえないのだ。

ぎゃあぎゃあと不毛なやり取りを続ける先生と私。
私がなんと言おうとも、先生は頑として引かない。
どうしても私に飛び込みをさせたいようだ。
ふ、この物好きめ。
いいだろう、めにもの見せてくれるわ!
私だって封印解けば飛び込みくらいできるんだよ!(厨二)


「先生…バスケが…したいです…!」

「なんで今言った?てか早く飛び込めよ。」

「チクショー、やってやらぁッ!」


飛び込み台の上に立ち、青く揺れる水面を見つめる。
すごく怖い。
すごく怖いが、そんなことは言っていられないのだ。
意を決する。
大きく息を吸い込んで―…。


「ぅううおおおおおああああ!」


雄叫びをあげながら飛び込んだ。




…―ら。


「いってぇぇええええッ!?」


水面にしたたか体を打ち付けた。
バチーンと派手に音が鳴り、布に覆われていない部分が赤く腫れる。


「いってぇよ先生!ヤバいって痛いって!もしかして私死ぬ!?」

「いや、死なねぇよ。」


半笑いでこちらを見ている先生に対する信頼は、本日この時をもって完全に消えた。
赤くなってしまった肌をさすり、今後一切飛び込みはしないと誓うのであった。





―――――――
まさかの実体験というw
[記事No.448609]Re:短編小説


ID:[ayu1126]
P08A3
投稿日時:06/07 20:57

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記事No.326462への返信


「西瓜切ったよー」

「食べるー!」

「お姉ちゃん、塩とって、塩。」

「あー!でっかいのとられたああ!」



冷たい井戸水で冷やしておいた西瓜を切り分け、皿にのせて盆で運ぶ。

食べ盛り、遊び盛りのチビ達は、我先にと赤いその実にかじりついている。

妹は塩をかけ、従弟二人は両手に持って、実に旨そうに食べていた。



「西瓜好き?」

「「すきー!」」

「おねーちゃん、西瓜食べないの?」

「食べる食べる。」



幸せそうに西瓜を頬張る姿に癒されながら、私も一口西瓜をかじる。

しゃく、と音がし、甘い果肉が喉を滑り落ちた。




夏が来た。

そう感じた。
[記事No.448592]Re:短編小説


 YWM1THpM
ID:[cordalo]
F04C
投稿日時:06/07 17:34

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記事No.326462への返信


『人を好きになるって、そんなに悪いこと?』


誰だっけ。誰かがそんなことを言っていた気がする。
いまとなってはその人の顔すら思い出せないくらい朧気な記憶。だけど俺はハッキリと覚えてる。


「なんか怖い顔してるけど、大丈夫か?」


「え、?」


「まるで鬼みたいな顔だぞ。おまえ」


「鬼って…、っ、失礼だな!」


「あははっ!ま、おまえの場合、可愛い子鬼ちゃんってところだけどな」


俺のことを子鬼ちゃんって呼びながら笑うこの男(ひと)が、いつか居なくなってしまったら、俺はどうなるんだろう。

いままで積み上げてきたものが一気に崩れてしまったら、この男(ひと)はどうするんだろう。

運命は変えられないと分かっていても願わずにはいられない、どうかこの男(ひと)が1日でも長く生きて1日でも長く俺の側にいてほしい、そう願ってしまう俺はとても欲深いのだろうか。






+--+--+--+--+--+--+--+

びーえる、的な。
苦手な方がいらっしゃいましたら申し訳ありませぬ…orz
[記事No.448255]Re:短編小説

美里
ID:[want2love]
PC
投稿日時:06/02 15:40

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記事No.326462への返信
目を閉じて、擦り寄るように身体を預ける。隣の彼はピクリと動き、声を落ち着かせてから聞いた。
「どうしたの?」
恐らく、普段あまり甘えない私がこんなことをしたから驚いているんだと思う。私は眉間にぐっと力をいれて返事を返した。
「おなか痛い・・・」
「え!?」
私が寄りかかっているのに立ち上がろうとしたので、私はずるりと頭を下げることになった。また寄りかかりなおして、黙ってリアクションを待つ。
「え、大丈夫?ねえ、どこが痛いの?風邪?え?」
「いや、だからおなかが痛いんだって」
「あ、そっか、えっと、えーっと、あっためる、そうだ、あっためよう!なにか飲む?あ、風邪だったら」
「風邪じゃないです」
私は片目だけ開いて、彼は少し高い位置から私を見下して、しばしの沈黙があった。腹痛の意味を理解したらしい。彼が小さく息を吸う。
「っ、えっとせい・・・月経?」
「ええ、そうね、月経痛です」
まるで保健体育で習ったばかり、とでも言うようにあえて意識していった言葉は、その後も彼の唇を迷わせる要因になった。私はそんな単語は使い慣れているので、今更異性と言えどさして恥ずかしいとは思わない。姉が弟の初々しさを眺めているようにも見えるだろう。
事実、私と彼は年の差のあいたカップルである。私のほうが五歳年上。そしてつい半年前までは本当に近所のお姉さんに過ぎなかった。彼が背伸びをして、わたしの呼び名を雪さんから雪に変えたのはついふた月前。
手をつないで、ハグをして、小鳥のようなキスをした。それだけのプラトニックな関係。そして申し訳ないけど、彼にはその先へ進む勇気がないように見受けられる。
彼は身体を離し、ソファーの上で気だるくしている私に身体を向けて正座をした。そしてポンポンと私のおなかの上にクッションやらタオルケットやらを乗っけて、自分は何をすればいいか、ゆたんぽはいるか、今日の夕食は軽いものにするべきか、と、もうそれは尽くしてくれた。
違うんだけどな、こういうのは。本当は額に手をあててため息をつきたい。でもかわいいことをしてくれる大事な恋人にそんなことは言えない。だから無言で手招いてぎゅっと抱きしめた。
「今日は家でごろごろしてよう。ご飯はとっておきに美味しいものを作って」
顔をうずめて、息を吐ききる。彼は頭の上で小さい返事とともに頷いた。
私のために頑張ってくれるのはすごく愛を感じるけど、背伸びされるのも複雑だ。雪って呼ばれるのも嬉しいが、ありのままの彼が好きというか。
「ゆ、ゆきさん?」
わたしがあまりにも動かないので、彼は少し身体を離して覗き込んだ。それにわたしも視線を合わせる。
「愛って難しいね」
素っ頓狂な声を上げたあと、困ったように眉を下げて口ごもる。わたしはその様子に思わず笑みを漏らして、心の中で呟いた。わたしのために困ってくれる顔が最強にかわいい、と。

*

少年っていいよね。
ああ、少年って美しい。笑
[記事No.448191]Re:短編小説

青葉ひより
ID:[aiueo0000000]
SN3G
投稿日時:06/01 12:21

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記事No.326462への返信

【W】

Where?
Why?
Who?
What?

Whirl!?Whirl!?Whirl!?Whirl!?Whirl!?Whirl!?Whirl!?Whirl!?Whirl!?
Whirl!?

あんたがたどこさ
鬼さんどこさ
あんな夢こんな夢
あんなことこんなこと
いっぱいあったけど
たくさんあったけど

ど う し て こ う な っ た

──アジのもと鯵エンスAgain!

Wwwwwwwwwwwwwww(笑)

渇ききった胸中に、死に損ないのWhistle toneが突き刺さります


どんなに着飾って垢抜けたフリしたって、所詮心に潜む「赤」は抜け切らないのだと。

手垢にまみれた醜い真実を知ってしまった以上、もう「無垢」に戻る事は出来ないのだと。

そう悟った時、何故か度肝を抜かれた気がした。

私の人生のサビはまだまだ五度圏外なのだと思い知った。

山葵(さび)抜きの生温い終止符と共に、錆び付いた釘を心の奥底ど真ん中に打たれた感じがした。

──あぁ、どうしよう。

このままじゃ数日も経たない内に拒絶反応を示してしまう。

これ以上擦ったら即アナフィラキシーショックを起こしてしまう。

下手に揺すったら何もかも受け付けない屍のような體(からだ)になってしまう。

そして最終的には私という人間の全てを形作るアイデンティティがゲシュタルト崩壊してしまう。

焦る。
慌てる。
汗ばむ。
溢れる。
そして泡立つ。

身体中の血が沸騰してしまいそうなくらい、芯から熱くなる。

けれど、どうしても思い出せない。

何者にも洗脳されず、誰からの洗礼さえ受けず、気の赴くままに、本能のままに生きていた頃のあの自分が思い出せない。

薄墨で染められた闇に彩られ、隅から隅まで黒に覆われ浸食される事を心から望んでいた、あの清々しい時代。

三日月型の黒点が寄生する、真っ赤な真実を隠した嘘つき太陽のような幼き自分。

他愛もない現実を生きていく間に薄れゆき、失われてしまった激情。

怠惰な日常を過ごしていく内に麻痺してしまった、あの研ぎ澄まされたような眩い感覚。


行く先は、まだ雲の中?

もしくは脱線して外道?


清廉潔癖な魂を濁らす以前の、本来の煌めき纏った私とは一体?

果たして、私が取り戻すべき私とは?

私は一体、誰?

ねぇ、教えてよ、誰か…。



*********

錯乱っぽいの目指しました。
[記事No.447901]Re:短編小説

火星人
 8tBgyKlY
ID:[gintama9524]
re
投稿日時:05/27 00:00

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記事No.326462への返信
【性分】

すぅ、と指差されたさきは自分だった。そいつは一言こう呟く…

「お前の、性だ」

もうずっと外には出ていなかった筈だ。暗い外見や部屋には反した地毛の明るい茶っ毛は学校で見ていたそれよりはストレスで少し荒れているように見えた。

「お前の性だ」

また一言、一言は二言へ、二言は三言四言と増えていく。

「お前の性だお前の性だお前の性だお前の性だお前の性だお前の性だ」

言い切れない現しきれない憎悪、嫌悪、憎しみ、怨み妬み悲しみを一言の塊に凝縮して俺へとぶつけてきた。
理由はわかっている。
俺がこいつに責められる理由なんて1つしかない、

「お前が殺した…!」

「…」

「お前がもっとちゃんと話を聞いてやっていればあいつは死ななかった…」

「……それで?」

「死ぬべきなのはお前だ…!!死ねッ!死ねッ!!
死ねぇぇぇっ!!」

俺はある学校のカウンセラーだ。そこでこの生徒にある女子生徒の相談にのってくれと頼まれた。
そして彼女は死んだ。
俺は彼女に二択を出しはしたものの、死ねとは一言も言っていない。
これは彼女の、彼への選択の果てだ。

「お前はあいつが何を思って飛んだかわかるか」

「お前への憎悪だ!嫌悪だ!!俺はあいつの仇をとってやる…!お前に復讐してやる!!」

「……
お前がなんにも取り柄がねぇのは自分の性だとよ」

生前、彼女は俺に言った。

「『私がずっと側にいたから駄目になってしまったんです
きっと私は毒なんです』ってな
言ってたんだよ」

「何わけのわからねぇこと言ってんだ!」

「今日ここに来たのはそれを伝えに来るためだ
あいつに依存したお前にあいつが何に悩んでいたのか、それを教えるためだ」

私はいない方がいいんです、寂しげに笑う彼女にとりあえず落ち着け、変なことは考えるなと言った俺だが最終的に、彼女に渡した選択肢は
『彼のもとにいてやってだめにする』
『彼のもとを離れ寂しさに打ち勝つ』
…だったはずだ。
それを3つ目の選択肢を生み出して勝手に遂行してしまったのは彼女だった。
『本当に助けてしまうことがないよう、この世から自分を消す』
選んではならない最悪の、あってはならない3つ目の選択肢。

「結局お前の幼馴染み殺したのはお前のその甘さだ」

「え……、ぇ?
何言って!あいつは俺には関係無いって!」

「人間はそういうもんだろ?」

隠すのが人間、それが精一杯の優しさ。

END
[記事No.447511]Re:短編小説

緋夜
ID:[hiine06]
PC
投稿日時:05/20 20:44

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記事No.326462への返信

とんとん、と肩を叩かれて振り返ると、彼がいた。
相変わらずにこにこした笑顔を貼り付けている。

「なに?」
「いい名前じゃない? これ」

彼が見せたのは、私のサイト。そこの、私の自己紹介文。
……ちょっと待て、何でコイツがこれを?

「どうして知ってんの?」
「ネットサーフィンしてたらあったんだ」

しれっとした顔で答えられる。しかし、絶対たまたま見つけたわけじゃないだろう。
きっ、と鋭く彼を睨みつけると、彼は益々笑みを深くした。

「全く怖くないね」
「さっさと忘れてくれる?」
「忘れる? 何で?」

そして彼は、最上級の笑顔になって

「俺が考えた名前、使ってくれてんのに」

私は彼の手から携帯を奪い、即座にサイトを閉じた。




はい、分けの分からない短編上がり!
「私」がツンデレですね。彼も腹黒い(?)し……


それでは失礼致します。
有り難う御座いました−−
    
[記事No.447475]Re:短編小説


ID:[ayu1126]
PC
投稿日時:05/19 19:02

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記事No.326462への返信



「俺さぁ、好きな子いるんだ」


目の前の幼なじみは、少し恥ずかしそうにして、菓子パンをもさもさと食べていた私に打ち明けてきた。
一瞬手を止めて、そして、つとめてさりげなく返答する。


「よかったじゃん、それ初恋?どんな子なの?」

「んなこと聞くなよー、恥ずかしいだろ?」


じゃあ言うなよ、と思ったが、素直にうんと返事しておく。
コイツから色恋の話題が出るなんて、世も末だ。
部活のことばっかり考えていて、授業が終わると真っ先にグラウンドに飛び出すような奴だったのに。
色気づくような年頃になったか、なんて、妙にオヤジくさいことを考えた。


「かわいいの?」

「すげぇかわいい」

「へぇ、理想高いね、釣り合わないんじゃね」

「ちょっとお前今日意地悪だな」

「私はいつも通りですけど?」


そこまで言って、二人で笑いあう。
コイツとはいっつも、冗談を言い合って遊んでいる。
小さい頃から、ずっと。




そう、ずっとだ。



「くやしいなぁ、あんた盗られちゃった、知らない女の子に」

「おお?何、俺のこと好きなの?」

「ばっかじゃねぇの」




好きだよ。
好きに決まってるよ。
だから、悔しいって言ってんじゃんか。


「応援してくれよ」

「あーはいはい」

「やる気ねぇー」

「あは、邪魔してやろっか」

「えー?やだよ、止めて」



本気なんだけどな。
だって、もう十年は片思いしてる。
それを横から掻っ攫われるとか、悔しい。


「……まぁ、頑張れ」

「ん、ありがと」



んでも、あんたが幸せならいいや。
応援してやる。

…ちょっと悔しいけど。














−−−−−−−
実は男の子は主人公が好きだったり。
すれ違ってこじれてやきもきすればいいよ
そういうの好きです。
[記事No.447176]Re:短編小説


 YWM1THpM
ID:[cordalo]
F04C
投稿日時:05/15 15:31

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記事No.326462への返信

ふと受信したメールを読み返すと何気ない会話がそこにあり私の心臓がどくんと高鳴った。


「わけ分かんない…」


ポツリ、呟いた言葉は溜め息と共に閑散とした自室に消えた。

つい最近のことだ。
『彼』とメールのやりとりを始めたのは3日前のこと。
趣味が同じでちょっとスケベででもかっこいい。
私はそんな『彼』に恋をした。

ただ問題点が複数ある。
まず1つ目。
一応写メ交換はして顔は見てるけど『彼』とはメールのやりとりだけで実際に会って話したり電話で話したりはしていない。
つまり『彼』の本当の声を私は聞いたことがないのだ。

そして2つ目。
『彼』とは遠く離れているのだ。『彼』は首都圏に住んでいるらしく大学生で、私はというとのどかな田舎町で育ち暮らしている平凡な会社員。

更には3つ目。
『彼』は私の気持ちをしらない。私のただの片思い。
これといって取り柄もないし可愛くもないしスタイルも特別いいってわけじゃない。
自撮りの写メだって何回も撮り直したり角度とか明るさとか色々設定をいじくって少しでも可愛く見えるようにしたり。

他にも問題点はいっぱいある。
『彼』はフリーなのか、とか、『彼』は私のことをどう思ってるんだろう、とか。


「…返事、まだかなぁ」


おはようメールをもらって速攻で返してドキドキしながら待つこの時間が苦しいし切ない。
こんな胸キュン恋愛なんて高校以来かもしれない。

何回も携帯開いてみたり無意味にメールを問い合わせで確認してみたり。そしてガッカリしてまた溜め息をついてベッドへ突っ伏してみたりなんかして。
しっかりと乙女してる自分が信じられなくてそれを打ち消したくて自問自答してみたりして。


「…あなたが、すき、です…」


ちゃっかりSDに保存した『彼』の写メに向かって小さく告ってなんだかほんとに私ハタチ過ぎてんのかなと恥ずかしくなって携帯を閉じた瞬間、メール受信を知らせる着うたがバイブ音と共に部屋に響いた。

私は思わずガバッと勢いよく起き上がってベッドの上で正座。
ドキドキしながら受信メールを開いてみると恋い焦がれた『彼』からだった。
思わず顔がにやける。


『こんど会おうよ。近くまで行くから。都合のいい日教えてくれる?』


それを見た瞬間、私のドキドキが一気に爆発。
すぐに会社の勤務表とスケジュール帳と睨めっこ開始する私は文字通り、『恋する乙女』。



fin.



+--+--+--+--+--+--+--+

気持ち悪いくらい乙女ちっくw←
[記事No.447170]Re:短編小説

希遊
 BiB9zI3.
ID:[kiliyu]
PC
投稿日時:05/15 10:55

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記事No.326462への返信
「よく分かんないな」

彼は笑いながら私に言った。
その笑みは自虐的で彼には不釣り合いだと思いながらも
声には出さずに、ただ彼の答えを聞く。

「僕は基本めんどくさがり屋だし、待つのは苦手だから」

彼は机の上にあるプラスチック容器を指で弾く。
弾かれたそれはパンっと軽い音と同時に机から落ちる。

「でも、すべてが終わったあとには後悔するんだよ」

中に何も入ってないそれを私は拾い上げてまた机の上に戻す。

「今度こそは待とうってね」

そこまで話した彼は面白そうに私を見る。
いや、私の目の前にあるプラスチック容器を見た。

「僕は1分しか待てないけど、君は何分待つの?」

ニコニコとピエロのような笑みで私に聞く。
私は目の前にある中身が入ったプラスチック容器の蓋を開けながら答える。

「開けるのがめんどくさいから、10分くらいかな」

開けたプラスチックの中からモヤァと湯気が空気に変わると、
露を吸ってフニャフニャになったうどんが私を待っていた。

―――――――
カップうどんの待ち時間のお話です(笑)
すっごい固いのと伸びているの…どっちが好きですかね?

※サイトは二次創作サイトです
[記事No.446980]Re:短編小説


ID:[ayu1126]
P08A3
投稿日時:05/11 11:44

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記事No.326462への返信


「…やっぱ無理なのかな、」

青みがかった黒髪をぐしゃりと掻き乱し、目の前の悪友はため息を吐き出した。
その重たい吐息の原因は、まだ幼い、彼の妹だ。

「俺みたいなガキじゃ、あいつ育てんのなんて無理なのかな…」

二親を亡くしたこいつは、両親の忘れ形見である妹を、拙いながらも一人で育てている。
高校を中退し、父親の仕事の後を継いで、なんとか食いつないでいるようだ。
こいつの躾もあってか、幼い妹は聞き分けがよく、兄の言うことをよく聞く出来た子に育った。

「いい子にしてんじゃん。どこが無理なんだよ」

大人しく絵本を読んでいるその子を見ながら言う。
好き嫌いはしないし、わがままも言わない。
留守番も一人でできるし、家事の手伝いもよくやる。
こんなにいい子は、なかなかいないだろう。

「この前、聞かれたんだよ」

「何を」

「…なんで私にはお母さんもお父さんもいないのって」

「………」

「…近所の子にさ、両親がいねぇのはおかしい、変だって言われたんだと」

俺じゃあ、親の代わりなんかできねぇよ。
そう吐き出すと、小さく震えながら涙をこぼした。
どうしたらいいかわからなくて、ただ見ているしかなかった。

「…にいさん、なんで、なんでないてるの?どっかいたい?」

兄の涙に気付いたのか、幼い妹は心配そうに兄に寄り添った。
兄が無言で妹を抱き締めると、その小さな手で、自身と同じダークブルーの髪を撫でていた。







…相変わらず拙い文
(´・ω・`)
[記事No.446362]Re:短編小説

火星人
 8tBgyKlY
ID:[gintama9524]
re
投稿日時:05/01 14:37

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記事No.326462への返信
【呪縛】

いつのまにか時間はそこまで経っていた。
忘れたことは多くても、その記憶だけは忘れることは無く、特別なもののように…否、実際特別な記憶だった。

『私は貴方を未来永劫、慕いましょう』

『俺は貴女を未来永劫、妻に迎えよう』

病に命短し二人はそう誓った。どんなに人生を積めども積めども
どんなに約束を果たそうとも夫婦は何の運命か片方が時期に死に、もう片方は約束を果たさんと人生をやり直す。
こうなると呪縛に近いそれは気付けば果たせなくなるまでに、それだけの時が経っていた。

ざっと数えて1000年

長い長い時を経ち
約束をいつかは絶つ
絶つというよりはきっとすっかり忘れてしまうのだろう、最初から無かったもののように綺麗にさっぱりと。
それは白地に等しい。

『私は貴方を未来永劫、慕いましょう』

『俺は貴女を未来永劫、妻に迎えよう』

『『忘れたその時は
互いの幸せを』』

呪うなんてそんな無粋なことは致しません。
ただただ好いた貴方の幸せを
貴女の綺麗な髪色を忘れたとして
懐かしきその匂いを忘れることはないでしょう。

約束を忘れたとして

匂いに

声に

振り返ればきっと

「「何処かでお逢いしましたか?」」

運命の巡り合わせくらいいくらでも起こせるのではないだろうか?


―――――――――――
恋愛系?
初めて書いた…タイトル【輪廻】でもいいな〜(-∀-)
[記事No.446360]Re:短編小説

火星人
 8tBgyKlY
ID:[gintama9524]
re
投稿日時:05/01 14:22

HPアドレス   レスを削除する   違反連絡
記事No.326462への返信
【ハリウッド映画?】

空が暗い、そんな日は大体良いことがないのだ。
それは最早古からの決まり事だと思ってもいいと彼は思っていた。
現に、今の時点で良いことは1つもない。悪いことなら数字でカウントするだけに留めるのであれば1つ、あった。

『人類滅亡』

「って何が1つだ!何が古からの決まり事だ!!!
そんなことを考えてる暇があンならアレを何とかする方法考えろやッ!!!」

ヴァチコンッと頭を強くはたかれた彼はヒリヒリと痛むそこを擦りながら「じゃあどうすればいいか言ったらどうにかなるのか」と至って冷静に、されど不機嫌そうに顔をしかめながらはたいた男に聞いた。

「お前はどうすれば地球がぶっ壊れねぇのか知ってんのか?」

アレを、と男が指を指すのは地球全体を覆わんとする黒い雲。気象庁によるとあれが地球を覆ったと同時に全体から雷が地球へと堕ちるらしい。そいなれば人類は皆仲良く上も下も無しに昇天だ。
『どこのハリウッド映画だ』と聞きたくなるような内容ではあるがどんなに現実逃避したって現状はかわってくれなかった。

「だから、あの中心?雲が増産されてる辺りに悪魔的な何かがいるんだって
もしくは悪霊でも可」

「ハリウッドの次は日本風ホラー映画か、京都奈良の妖怪大戦争か」

「妖怪も可とする」

「もういいわぁあああっ!」

ちゃぶ台があったら返していたであろうテンションで叫んで男は空を見上げる。

「もしそれが本当だったとして!お前は何か出来るんか?これを止めるハリウッドヒーロー…まぁアニメヒーローでもええわ、そんなことが高校時代に日陰の影のごとく薄かったお前に出来るんか?」

「親友にそれはないだろ、人類滅亡対策班さんよ」

「黙らんかぃっ!!俺は好きでなったとちゃうねん!
少しPCいじれるだけやないかい!!それをIQ何だかんだと騒ぎ立ておって…」

「IQ503は人間なのだろうか……」

「知るかっ!とにかく、お前があれの正体と自分がなんとか出来るからっちゅーから関係者以外立ち入り禁止のこんな近いところまで連れてきたってんに」

なんとかせいや、それが影が限りなく極薄であった彼の親友であるIQ503とふざけた人外男の言い分である。

「この際なんでもいいから」

「じゃあ宇宙から聖水でもぶちまけろ」

「じゃかぁしいわ!!出来るかんなん!!」

「…式紙を」

「現実範囲内で!」

人類滅亡まであと一時間
[記事No.446358]Re:短編小説

火星人
 8tBgyKlY
ID:[gintama9524]
re
投稿日時:05/01 13:51

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記事No.326462への返信
マンションの中、自動ドアの手前で唖然として立ち止まった。徒歩5分のコンビニへ少し新発売の"エクレア"を買いに行こうとしただけなのだ、なのに……

"な…ななっ………
なんじゃこりぁああぁあぁあああ――ッ?!?!??!!!"

心の叫びとほぼ同時に『ガズシャァァン』と自動車と自転車の激突した音が聞こえてきた。ガラス張りの自動ドアのさらに向こうに手で押すタイプの扉があるのだが…それもガラス張りで外が見られるようになっている。
外ではものっ凄い、そりゃもう生きてきた中でも経験したことがないような強風が吹き荒れ自転車が中を舞い、無人の自動車が風に押されて道路を走っていた。
ここで勘違いして欲しくないのは"走っていた"であり、決してノロノロと動いていたわけではないことだ。しっかり道路を"走っていた"のである。
アクセルを踏んですらいない無人の自動車が、だ。

"うっそ何これ?!世界のお仕舞いッ?!!!
朝はあんなに晴れやかだったのに……"

そう、朝は何とも言えないような…今日の一日の平和を予兆させるような天気だったのだ。
それがなんだ、徒歩5分のコンビニに新発売のエクレアを買おうとする甘党がいて何が悪い!!!

"神よォォォォォォッ!!!あのエクレア楽しみにしてたんです!
あれがないと死んじゃうんです!いや死なないけど!でもあれなっちゃうんです!!!"

"あれ"がなんなのかはおいておくとして、とにかく外はあり得ないことになっている。雨こそ降っていないものの、強風でいろんなものがガラス張りの扉の前を横切っていっていた。
今ここにエクレアを捨てきれず10分間ほど留まっていたがその間にも自動車、自転車、植木鉢、木、鯉のぼり、窓、地デジアンテナ等…外に出ればどれか1つは刺さるかぶつかるか爆発するか。
どこから突っ込みを入れていけばいいのかわからない、突っ込みが追いつかない。

"え…これはエクレア無し?
嘘、ないと無理
今日はエクレアで生きてくって決めたのに!!!"

甘党はとうとう腹をくくるとエクレアのために自動ドアを出た。あとは扉を押して外に出るだけだ。
ここからでも強風の冷たい風は肌に感じる。

「………よし、」

ふんっ!と扉を押したとき、案の定押した方の扉はベキリと折れて飛んで行き、甘党も風になったまま帰ってこなかったという。
因みにエクレアは昨日の時点で売り切れていたとか。

――――――
風が凄い←
[記事No.446356]Re:短編小説

火星人
 8tBgyKlY
ID:[gintama9524]
re
投稿日時:05/01 13:31

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記事No.326462への返信
【学級崩壊のしかた】


「おぉぉぉんるぁあぁぁあああっ!!!!」

ギャルガッチョーーーッン

飽く迄も窓の割れた音である音は床に散らばる硝子の破片、共に教室外半径10m以上に大きく響いた。無論担任教師の悲鳴も教室にいる生徒の耳をつんざかんばかりにあげられる。
生徒の大半は教室の窓を素手で割った彼に
"あーやっぱりやったか"
と思うくらいのものでしかなかった。
担任になにかと目をつけられていたものだからいつかやるいつかやるとは思っていたが、それが今日と云う日になっただけだ。
血だらけ拳。喧嘩ではなく今しがたの窓ガラスによって切ったいくつもの切傷。

「なにやってるの!!!窓を割るなんて…私が責任をとらなければならないのよ?!!」

結局、これだ。
自分の価値しか考えていないこの教師の言うことを聞く義理などないから聞かなかった。聞かなかったから目をつけられた。そして問題児扱い…。
クラス40名いる内の保健委員2名が席を立ち彼に近付く。

「保健室行こうか」

「ん…そうだな」

「ちょっとあなた達!先生の話を聞いて…!!!」

バッと保健委員の平手が担任に向けられた。例をあげれば"待った"の形。

「保健室、行かせないと腕が壊死しますよ?――『あなたの性で』」

いいんですか?との問いに担任は黙り三人は教室を出ていった。
さらに四人が席を立つ。
学級委員、副委員、書記二人、声を揃え

「先生、教師である名誉のためだけの授業はもう諦めてください
僕らはついていく気はありません」
「窓を割った彼が、私たちの合図だったんですよ
気付いてましたか?」
彼ら彼女ら…いや、クラス全体すらも
「あなたを『良い教師』と思う生徒なんて一人もいなかったんですよ?」
43名は席を立つ。
それは次々と、ショックにぼーっと立つしかない教師の前を横切ってドアから廊下へと出ていった。
最後に学級委員が残り彼は去り際に、

「あ、あと
僕ら担任が変わるまで明日から学校来ませんから
その胸を校長先生にお伝えください」

では、とガラリと戸を閉め去っていった。
独りポツンと残るは自分の名誉のためのしあがるために生徒を育て上げていた教師。

次の日、本当に40名は来なかった。
教室の割れた窓ガラスの格子に取り敢えずと貼られた布が、パタパタと虚しく音を響かせた。

―――――――――――
だって大人が嫌いなんだもん♪←わけわからん
[記事No.445985]Re:短編小説


ID:[ayu1126]
P08A3
投稿日時:04/24 05:12

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記事No.326462への返信

冷たい

目の前に横たわる青年は、まだ幼さを残した顔をしている
きっと、20にも満たないだろう
育ち盛りで働き盛りの、元気な青年だっただろう
家に帰れば、両親と兄弟姉妹がいて、暖かい食事が、彼を待っているんだろう
日がな一日畑を耕して、汗を流しながら、野菜を育てていたのだろう

「……冷たい」

手に触れてみた
酷く、酷く冷たい
氷の冷たさなど、生易しく感じてしまうほどに
触れさせた掌を見ると、真っ赤な何かが付着していた
これはなんだろうか
生臭い匂いがする
ああ、掌だけではない
彼の全身を、真っ赤な何かが覆っている
私の体も、真紅に染め上げられている
視線を上げてみた
そこら中が、同じような真っ赤な何かで穢れている
目の前で横たわる彼のように、鎧を纏った人々が、幾人も幾人も倒れ伏している

「ああ、そうか」

そうか
そうだった
倒れ伏している人々も、目の前の彼をも
老いも若きも
みんなみんな

「私が…私が、殺したんだ」

真っ赤な何かで身を濡らし、ぽつりと私は呟いた
右手に握りしめた、無粋な刀と同じように、血にまみれて人を斬った
生きているモノを、帰る場所が在るモノを
待ってくれている人がいるモノを
一人残さず殺したんだ
主のためだと、大義名分を背負って
住みよい世の、天下泰平のためだと、免罪符をかざして

「……愚かな、」

どれだけ理想を説こうと
どれだけ免罪符をかざそうと
どれだけ弁明をしようと
ただの人殺しに変わりないのに
ただ、その手で人を斬ったと
その手で握りしめた刀で人を斬ったと
その事実は変わらないのだ
人を殺めた、という重き罪から、逃れられる筈がないのだ
免れることなど、永劫にないのだ

「……護りたかったのに」

我が主を
敬愛する主を
ただ、護りたかっただけなのに
主を護るために、多大な犠牲を出してしまった

「どうすれば良いのだ」

私は
人を殺めずに戦うには
私は、どうすれば良いのだろう


−−−−−−−−−−−
再び自サイトの子使ってしまった…
どんだけオリキャラ好きなんだよ私は、
しかも意味わからんorz
もちょい頑張ろう…
[記事No.445903]Re:短編小説

優鷹
ID:[HelloSmile]
923SH
投稿日時:04/23 01:32

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記事No.326462への返信
彼に呼び出された私は、すでになんの話しか分かっていた。

咳払いしてから話しだす。それが彼の癖だ。
グラスの中の氷が踊り、驚いたようにコーラの炭酸が騒ぎだす。
それを合図にしたのか、彼が口を開いた。

『別れようか』

彼の言葉にわざと被せてみた。その驚いた表情と対象的に、私は悪戯っぽく笑みを浮かべてみる。
最初から結論が決まっている話し合いだったのだ。彼に新しい女が出来たことや、私に対して未練もなければ愛もなくなっていることも。
喧嘩してもすぐに仲直り出来ても、次第に薄れていく愛で、私自身も酸欠状態になっていた。

これで楽になる。

双方合意の円満な別れ話しは、たった5分で終わった。私達の五年間はそれだけで終わった。
それほど、薄っぺらで、悲しいほどに清々しい。

別れが終わった後に帰った家には、確かに彼の温もりがあった。
ウザイくらい絡みついてくる想い出に、私は堪えられなかった。
確かに彼の愛は薄れていた。だけど、私の気持ちは変わっていなかった。
出会ったあの日から今まで、ずっと。

ああ、楽になんてならなかった。

余計に苦しくなって、余計に彼を求めてしまう。
あの時に、彼を引き止めていたら何か変わっていたのだろうか。

私は泣いた。みっともなく声をあげて。
目が真っ赤に染まるまで泣き続けた。

みっともなくても、見てる人なんていやしない。
泣き続けても、止めてくれる人なんかいやしない。

私は一人になったんだから。
[記事No.445773]Re:短編小説

yuto.
ID:[sokahagan]
P10A
投稿日時:04/20 17:02

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記事No.326462への返信
【さくら】


君がこの世からいなくなってから、もう4年が経つ。月日が過ぎるのは早いものだ。
僕は未だに君の眠る墓には行っていない。行く勇気が出ないのだ。君が”死んでしまった”という事実を認めてしまうのが嫌で。…自分のこの目で君が息をひきとる瞬間を見ているというのに。

ある春の日の午後。その日は君の命日だった。僕は自室で絵を描いていた。窓から見える1本の桜の木の絵だ。今年は開花の時期が遅く、まだ八分咲き程度。
あの桜の木は君との思い出の場所だった。
僕は窓を開け桜を見つめた。

その時だった。僕に吹きつけられた突風。目をつむって耐えた。桜の花弁と嗅ぎ慣れた匂いが鼻をくすぐった。

―この香りは…確か―

君が好んで使っていた香水の香りだった。ふっと桜の木の元を見ると白い影が見えたような気がした。もしかしたらと思った。そんな非現実的なことがあるはずないが、ほんの少しの希望をもって部屋を飛び出した。


桜の木の元にあったのは、風で飛んできたコンビニの袋だった。

―やっぱり、そんなことあるわけないよな―

そう溜め息を吐いた時、根本に何か光るものを見つけた。指輪だった。それは僕が君にあげたはずのものだった。見間違えるはずもない、僕がつけたしまった傷があったのだから。

そよ風が髪と頬を撫でた。まるで”私はここにいるよ”と言っているかのように。
自然と涙が出た。君がいなくなってからというもの一切出なくなってしまった涙が花弁と同時に地面に落ちた。

君に会いに行ってみようか…。ふっと思った。そろそろ前を向き直す時期なのかもしれない。

墓の前には一人の女性が座り、手を合わせていた。40代位だろうか。その背中はとても頼りがいのない小さなものだった。
女性がふっとこちらに顔を向け目を見開いた。僕も驚いた。

「…来てくれたのね。」
「お久しぶりです。おばさん。」
「ずっと、あなたに渡さないとって思ってたの。…あの子からの手紙よ。」

手渡されたのは小さな白い封筒だった。中に書かれていたのは君からの最後のことば

『ずっと、ずっと大好きだよ』


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春っぽいのを書こうとしたのに…あれ?
[記事No.444718]Re:短編小説


ID:[ayu1126]
P08A3
投稿日時:04/03 14:50

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記事No.326462への返信

「子どもの成長って、あっという間よね、」

隣に立っている女性は、鈴を転がしたような声で、僕に語りかける。
彼女の視線の先には、大学生くらいの青年と、五歳くらいの女の子がボールで遊んでいる。
青年がボールを軽く放り投げると、女の子は楽しそうにボールを追いかける。
まるで飼い主によくなついた忠犬のように、ボールを抱えて青年のもとへと駆けるのだ。

「上の子はもう働いてるの。夫の跡を継いでね、家業をやっているの。下の子の面倒もよく見てくれてね、いい子なのよ。」

隣の女性は、二人を愛しそうに見つめ、視線をそらさずに僕に言った。
語り口調から、この女性がどれだけ我が子を愛しているかがよくわかる。

「あっという間なの、本当にね。ついこの間まで歩くことも出来なかったのに、一人で立てるように、走れるようになって…早いものだわ。あの子達は日に日に大きくなっているのに、私は…。」

言いかけて、女性は口をつぐんでしまった。
口を開くこともなく、ただ我が子を見ている。
ただそうやって時を過ごしていると、青年は女の子の手を引いて、公園から出ていってしまった。
その後ろ姿を寂しそうに眺め、女性ははじめて僕の方を見た。

「死って残酷よね。あの子達に触れることも出来ないんだもの。」

体が半分透けている彼女は、寂しそうに笑いながら僕を見つめる。
なんと返していいかわからない僕は、情けないことに頷くしかなかった。

「ありがとう、話を聞いてくれて。」
「…いえ。」
「……私も、もう行かなければいけないわ。」

いい加減に成仏しなきゃ、と言う彼女は、目に一杯の涙を湛えていた。
それじゃあね、とだけ言葉を残し、女性は空間に溶けるように姿を消した。
女性が立っていた空間をしばらく見つめ、伸びをして立ち上がる。
女性とよく似て、綺麗な顔をしていた兄妹を思い出しながら、嫁と子どもに何か買っていってやろうか、と考えていた。



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兄妹は本館サイトの子です。
なんか纏まらなかった感が否めない…
精進しなくては…

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