ぷよぷよと、

□心の距離
3ページ/19ページ






私は壊さないように、ゆっくりゆっくりと掘り出していった。若干指が痛いが、それよりも私が触ることで壊れたり腐敗してしまうのでは、と確率の低い心配をしていた。


『お……』

その姿が私たちの目の前に現れる。
幸い傷などの目立った事は無く、この薄い暗闇のなかで目立つ光を放っていた。


―光?



「これは恐らく、地天石だろうな。」

『じてん、せき?』

「見つかった最古の書物に書かれていた宝石の名前だ。淡青色に光ると聞いていたが……」

私はシェゾの疑問に顰めた顔を見ながら、先程からもやもやとする原因を考えていた。
ここは薄暗い。もしシェゾとアルルのライトが使えていなかったら、手探りで進むしかない程の暗さだ。宝石が見つからなくたっておかしくない。―だが、どうしてか私は見つけてしまった。なぜなら、この宝石が淡い光を放っていたから。シェゾとアルルが気付かなかったのは疑問だが、それより、"何故光っているのか"という疑問に頭を横に傾けた。
……どこからも宝石にあたる光なんて無いのに。薄暗い場所で光を放つ光源は、この宝石からだと言いたいのか?

私は、シェゾの言葉に続けて言葉を発する。


『―なぜこの暗闇で光っているのか、って言う事?』


シェゾは軽く頷き、アルルは目を大きくさせて驚く。


「……まあ、念の為持っていくか。」

「うん。」


取り敢えず、私が持っておくことにした。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ