ぷよぷよと、
□やっと少し見えた真実
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〔貴方にはやってもらう役目があるわ。〕
綺麗な声。
そう思った私のまぶたは、自然と開く。
そこに居たのは、淡い光を放ちながらほほ笑む、茶色い髪に花を可憐に散りばめた赤い服を纏った神らしき人物だった。……いや、神だ。私の直感がそう言っている。
『あ、あの……?』
〔貴方の言いたい事は分かる。だけど、話を聞いてちょうだいね。いい?〕
『は、い。』
ぎこちない返事をしたら、その笑顔は真剣な表情になり、形の良い唇を動かした。
〔貴方のお母様は、死んでしまったわね。〕
『……はい。』
―何故知っているんだ?
確かに神だから、そんな理由だからだろうか。
〔貴方のお母様は、とても膨大な魔力を持っていた。―彼女は、もともと別の世界の人なの。〕
『は、い?』
〔この世界もまた、神が作ったとされる"パラレルワールド"という"全宇宙"の世界の中の一つ。〕
ん?……待って。私が元居た世界の他にもいろんな世界があって、その中の一つの世界―私が生まれた現代と呼ばれる世界で死んだというの?
〔彼女はとてつもない魔力を持って生を受けた。そして神に好かれたわ。だから、神の名前を口に出すだけで、その神の力を借りられた。〕
『―』
〔彼女を見た、此処の世界のトップが「彼女は危ない。どうにかして存在を消せ」と言ったわ。〕
『―そ、んな……!!』
私にはあまりの衝撃だった。
やっとの声が、驚きの声として喉を通る。
〔彼女を消す役目に選ばれたのは、ある男性だったわ。〕
嫌な予感が脳裏をよぎる。
『いや…まさ……か!!』
〔貴方のお父様よ〕
嫌な汗が額を伝った。