ぷよぷよと、
□やっと少し見えた真実
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こいつに魔力があるのか、とアルルに聞かれた時、俺は絶対的な確信があった。
森を通りかかった時、正直とんでもない魔力を感じ取ったのは、今でもはっきり覚えているからだ。
だからこそ、こぶしを強く握ったのかもしれない。
「え、未来ってそんなに強いの?今、魔力全然―」
アルルが言葉を止めた。
心配、驚きの感情と、「怖い」という感情をぐちゃぐちゃに混ぜた表情になっていた。
それは、俺も同じだった。
「未来、落ちつけ!……ッ―」
苦しかった。
息が突然出来なくなり、意識が遠のく。
俺は確かに見た。
あいつもまた、苦しそうな表情をして涙を流すのを。
だが、離れてはいけない。
俺がこいつのそばに居てやらなくては―。
そんな想いも、未来に届かない。
―俺の記憶は、涙で腫れた双眸と目が合った時で終わった。