ぷよぷよと、

□変態の秘話
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―ワープをしている時間が、異様に長く感じた。
はたまた自分の記憶がシェゾと手を繋ぐ、という良い時間を延ばすようにしたのか。


せめて、前者であってくれ……!!


そんなことを考えていると、シェゾが周囲を見渡し始めた。

「―ッ」

『シ、シェゾ?どうしたの?』

「―この魔力は、まさか……!!」

『え?え?え!』


いやまあ、確かに感じますけど、ね。
そこまで強くないっていうか……。


「―!!お前、魔力引っ込めろ、全部だ全部!」

『いやいや、そんなこと急に言われてもね……』

「だあー!!じゃあ、余計なこと喋るなよ、分かったか!?」

『は、はい…?』


シェゾは「だあー!!」などという普段使わない奇声を発した。……珍しい。ん、いや、そりゃそうだ。あってすぐだもん。……うん。
……というか、シェゾの態度が急変するほどヤバイやつなのか!?

しかも、そのやばいらしい魔力が近付いてきてる。
あっ……れ?

『―2つの魔力?』

米粒ぐらいの奴が肉眼で見えてきた。
青と白の服に栗色の髪色。
一方、黄色い物体……とでも言っておこう。

いや、もうすでにはっきりと目で確認できる距離だ。


「……今度こそ、このシェゾ様がお前の魔力を貰ってやるぞ!!」

『……ん?』


ま、魔力を狙っているのか。
それにアルルっていう子、女の子じゃ―






「あー!やっぱり変態シェゾだー!」

「ぐーぐぐー!!」

大きくて通る可愛い声の持ち主と、
そうだそうだと声をあげている黄色い物体。




「俺は断じて変態ではない!!」

そして拳を握りしめて良い放つ彼。


私は不覚にも、彼女に見いってしまっていた。
そして、彼女の真っ直ぐとした栗色の双眸と目がばっちり合う結果に。

その瞬間、彼女は私、シェゾの順番で見つめる。


可愛いな、この子。
……あれ、素直に可愛いって思えないのは、何故?

なんでだろう、と考えた結果、私はシェゾを見る。

そして、このあと大きな誤解と、大きな声を発する彼女の方を見た。



「―シ、シェゾが女の子を誘拐して……この変態!!」


その瞬間、私とシェゾは固まった。
凍らされたのではないか、と心配になるぐらいに。凍った原因は、彼女の一言により思考がショートしたから。

先に氷が溶けるのはどちらだろう?
この驚きの表情の彼女に物申すのは、やはり私か?それとも大きすぎる誤解をされているシェゾか?

答えはすぐに決まった。
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