特別に、

□はりきって!
2ページ/2ページ








『……』

「案外弱いんだな、お前。」


負けたああああっ……!!今までそんなに負けた事は、無かったのに。
なんて屈辱だ。何て悔しさだあっ!!


『黙ってろシェゾ!』

「ん、負けたやつは確か……言う事を聞く、というルールだったよな。」

にやり、と笑ったシェゾの表情はもうなんというか、本物の黒い笑みで。
ぞわり、と鳥肌がたったのは秘密にしておこう。

『……な、何を聞けばいいんだよっ』

シェゾは、ふ、と不敵な笑みを見せる。

「そんなの決まっているだろう?……俺に、お前の全てをよこせ。」

『……じょーだんは止そうか、シェゾ。』



「ルールは、守らなきゃな?」


シェゾに優しくぎゅ、と抱かれた。
ふわり、とシェゾの匂いがするたびに、顔に熱が集中するのが嫌な程分かる。
シェゾの甘いにおいが、私の脳内を侵食していって。


『―っ!?』

頬に、柔らかい感触を感じた。



「未来、今回はこれで我慢してやる。」




りきって!

(次は、負けないから!)

(なんとでも言え。お前はまた負けるからな)

(シェゾのばーか)

(なんだ、もう一度してほしいのか?)

(ち、ちがう!!)

 
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ