ぷよぷよと、
□心の距離
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―昔は神殿だったのだろうか?
その大きな遺跡が面を残していた。
『ねえねえ、これからこの中に入るの?』
「当たり前だ。とにかく、俺から離れるなよ?」
『う、うん』
此処まで来るのがとっても大変だった。
もちろん遺跡の場所なんて知らないから、街行く人に聞いて回る。
うーん、街を歩いてる時にわずかだけど、魔力を感じたよ。
だから私は別に聞かなくて良かったんだけどね。どうやら2人には分からないらしい。
……と言う事は、私は2人を超したのか!?お、おお、おおお!?
んー、まあそこんところは分からないけど、何だか嬉しいね、うん。あれかな、あんな事があったから自然な成り行きで魔力察知できるようになったのか?へへへ、どうだ、私の実力は。
私がぼーっとしているのを分かったのか、シェゾが頬を引っ叩く勢いで此方を見る。
「ぼーっとしていないでいくぞ」
まさかシェゾは人の心を覗く事が出来るのか?
なんてね。
『はい!!』
私は考えていた事を振り切るように、大きな返事をした。すると、それにのったのか、アルルも一緒に大きな声を出してくれた。
「ボクはシェゾより強いから大丈夫だけどね!」
「ふんッ、そう言ってられるのは今だけだ。」
「そ、そんな事無い!!」
うーん、2人とも結構ひねくれてるなぁ。
しかもこのパターンっていうね。
飽きてきたよ、いい加減。
って、いかんいかん。目の前の事に集中せねば。
―私は不穏な空気と共に、黒く渦巻く人の叫び声の様な音を聞いた。いや、ただの風の音だろうか?そうだろう、……たぶん。
いやあ、私のお馬鹿な脳みその勘違い、だと嬉しいんだけども……。