ぷよぷよと、

□甘いもの
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『シェゾ、熱下がって良かったねー。』

ふと、呟いてみた。


「俺は闇の魔導師だからな、当然だろう?」

『うんそーだねはいはーい』

「その適当な返事をやめろっ!」

『ああ、うんごめんなさーい』

「言ったそばから言うなっ!」



―まったく、とため息を一つついたシェゾは何故か、ぴたりとその場で止まってしまった。

『シェゾ、急に止まると私危ないんですけども。』


「……」

『あれ。無視、的な感じでしょうか?』

「……」

『ああもう、返事ぐらいしてよシェゾ!!』

するとシェゾは此方を向いて、真上を見上げた。


「上から気配がするのだが……未来は分かるか?」

『あーうん。何かね、気配一つ一つは小さいけど……沢山、ある気がする。』


「そうか、ならばさっさと行くぞ。」

『うん。』


すたすた、と歩く速さを速めたシェゾについていくのは、脚の長さ的にあれだ、あれ。……大分疲れる。

疲れているからだろうか?
急に糖分とか塩分とかが食べたくなって。

『ねえねえ』

「……」

『甘いものが食べたい』

「……街についた時買ってやる。それまで我慢してろ」

『えー。何と言うかさ、今すぐに食べたい気分なんだよね!』


当然シェゾが答えてくれるはずもなく。
私は半分しょぼーんとした気持ちで足取りを進めていた。


宿から出て30分ぐらいしか歩いていないのに、ここまで辛いとは……!!


いやあ、まさか、いつもシェゾが歩く速さを私に合わせてくれたり……なんてね。
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