ぷよぷよと、

□まずは挨拶から
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「遺跡なんも無かったねえ。」


そう呟く栗色のアルル。




「まったくだ。結局あの石だけだった。」


少し上をむいて呟きに反応するシェゾ。



『ま、まあまあ……強い人と戦えてよかったじゃないかー……あはは、はは……』

冷たい視線を2人から浴びせられる私。
すみません、馬路ごめんなさい。



―私たちはあの後も遺跡を探索してみた。
だが、何もなく、この私が持っている石―地天石だけだったということだった。
しかし、この石はもう光ってはいない。ただ、淡い青色が光に反射して煌めいているだけ。


「……まあ、お前の言う事も一理あるがな」

俺の実力がどれほどすごいか分かっただろう、と一言付け足したシェゾ。
いや、いらねえよその一言。


「あ、シェゾ」

アルルはそう言ってシェゾの隣まで行って、シェゾの耳元へ手を持って行って何かを小声で話していた。いわゆる、こしょこしょ話だ。

まあ若干いらっとくるが、まあね。私にはクルがいるからね、ね!……あ、そう言えばアルルの話によると、クルはシェゾたちが遺跡で戦っている時、気絶し……いや、ぐっすりと眠っていたらしい。
そのあと起きて此方に向かっていった、という事で。


皆無事集合して遺跡を出てきた。
その時の日光の気持ちよさといったら、もう何て言ったらいいのか。
そして、とにかく急いで宿に向かった、というわけだ。



んでもって今宿から出て散歩中。



下に向けていた顔を思いっきり上に向ける。
若干ごきっとなったが、私は大きく空気を吸った。そして限界まではく。

気持ちいいな、今日の天気はいいな、日差しが暖かい。なんて考えていると、シェゾが此方へ素早く近づいてきた。

思わず、本当に思わず目をつぶってしまった。
いやこれだって、ね?反射神経っていうの?


シェゾの吐息が分かる。
シェゾのふわりとした毛先が耳を撫でる。

つまりこういう事だ、シェゾの顔が近い。
シェゾの顔が私の耳元にある、というわけだ。






……ねつ、熱!
顔、ちかい、めちゃくちゃ近いってば!!
氷、冷や水ありませんかああああああっ!
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