特別に、
□はりきって!
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『シェゾ、ババ抜きしようよ!』
「……後でな」
『いっつもそう言ってしてくれないじゃん!』
私はそう言ってシェゾのを掴む。
「……ババ抜きのどこが楽しいんだ?」
シェゾは呆れたような顔をして聞いてきた。
勿論私だって、ただ単にババ抜きがしたいんじゃない。
まず私が思うのは、普通のババ抜きはスリルが足りないと思うんだ。スリル感が。
だから、何か大事な事や物を賭けたら必死になってトランプを引くのにも慎重になってスリルが味わえる……はず!!
『じゃあこうしようよ。シェゾが勝ったら私は何でも言う事を聞く。その代り私が勝ったら、』
「俺が言う事を聞く、と?」
にやり、と笑うシェゾ。
だが、私もにやり、と笑いたくなった。なぜなら、ババ抜きには自信があるからで。
『うん。こーみえても私、ババ抜きには自信があるんだ!』
「そうか。ならばやろう。」
『おー!!』
私は、はりきってトランプを準備し、振り分ける。
「お前からでいい。」
『ああもうね、余裕ぶってんの今のうちだけだから。』
そうして始まった。
……うん。