ぷよぷよと、
□まずは挨拶から
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「……」
『……』
お願いだ、何かしゃべってください!
私これ凄い緊張してるよ、てんぱってるってこういう事だよ!?
外、誰か見てるかも知れな……アルル!
うえい、アルル!助けて、馬路でこの微妙な空気と心臓どくどくと顔の熱から助けて!!
「……未来」
『は、い?』
途端にシェゾの顔が赤くなる。トマトだ、トマトだ!!シェゾがトマト化した!凄いレア、凄いレア!
しかも声小さくて聞き取れなかったし……。
「だからっ……」
胸元で握り拳を作って此方を向く。
その双眸が、透き通っていて何処までも深い海の様に見えた。
「未来、俺に全てをくれ……ください!!!」
『―ッ!!』
こいつ、こいつはいつもいきなり……!!
何で私が顔を腕で隠さなきゃいけないんだっ!
しかも、名前で呼ぶとかっ……。
顔熱い、というか体中熱い。
それは紛れも無く目の前に居る、シェゾ、のせいであって。
『シェゾ、の馬鹿!』
そう言って私はアルルのもとへと急ぐ。
そこにはニヤニヤしたアルルと、相変わらず同じ笑顔のクルがいた。