ナミダノサキ

遥か昔
山に一匹の龍がいた


産み落とされたとき
それはとても愛らしく
誰もがその龍を愛でた

龍は人に信頼を寄せていた

そして成人龍になる前
その龍は人を信じ
人からの恵みを受けた


しかし


龍は代わりに
命にも等しいものを
失った―…


龍の逆鱗に触れた人は
龍に噛み砕かれ

人への信頼をなくした龍は
山で暴れ狂う龍となった



時は幾百年流れ―…


龍は人を苦しめる
悪しき龍となっていた


しかし、ある日
1人の勇気ある旅人が
"君が無くしたものを
当ててみせる"と言った

そして旅人は龍に
"あるもの"を与えた


龍はそれを目にして
涙した


そして龍は自分の罪に
旅人に見られぬよう
涙したという―…


涙はやがて
池となり海となった


海の味が涙の味と
似ているのは
このせいだと言われている

龍が去るとき
旅人は言った

"もし、2度目があるなら
また会おう…
その時は君が
1番大切にしているものを
もう一度あげよう"


―…

これは数ある伝説の1つ
"涙した龍"


確かな伝説とも言われているが

いったい龍が
なにを失ったのかは
一切受け継がれていない

知るのは
後にも先にも


旅人、ただ1人のみ―…

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