らぶりぃチェリー

□五粒目
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『ただいま』


何か…気持ち悪かったのは気持ち悪かったけど、勢いみたいな感じで早退しちゃったけど

色々と大丈夫かな……?


「おかえり、美依!!」


──ドスッ


とりあえず、抱き付いてこようとした兄の彰太の鳩尾にパンチを入れた


「うぅ…そんなに照れなくても良いだろ?可愛い奴めっ!!」


『しつこい』


─ドスッ


ほんっとに懲りないバカ兄だ

ふたたび鳩尾を殴られた彰太は再起不能となった


まぁ、こんなのは日常的な事なので放っておく


リビングに入った俺は冷蔵庫を開け、麦茶を取り出してコップに淹れて飲んだ



……何か、ホッとしたような気がした



「あれ?今日は、やけに早いね」


『うん、早退してきたんだ。ただいま亮介』


「そうなんだ。おかえり美依」


俺より少し大きな身長の彼は、フワリと包み込むように俺を後ろから抱き締めた


『…どうしたの?』


なんとなく亮介がいつもと違う気がして聞いてみた


「………。

何となく、美依が…」


『おr…私が?なに?』


「…んーん。何でもない、俺も兄さんと同じで美依が好きなだけ」


『何それ(笑)

ありがと、亮介』


そっと、頭を撫でてやると嬉しそうに頬をほんのり赤く染めた

身長と体格は私より大きくて頼もしいけど、やっぱり弟…可愛い


そんな、微笑ましい場面を壊すのはやっぱり、、、


「あーーーっ!!!

ずるいぞ亮介!!!!さぁ、美依!俺とも熱い抱擁(ハグ)をしよう!!」


『だが断る』


「ガーン!Σ( ̄□ ̄;)」


「諦めなよ兄さん」


「何でお前は良くて俺はダメなんだーーーー!!!!」


『「生理的じゃね?」』


「ガーン!Σ( ̄□ ̄;)※二度目」


項垂れる彰太を無視して、私は自分の部屋に行った





「美依、学校で何かあったのかな…?」


「多分な。あんな顔久しぶりに見た」


「やっぱり兄さんも気付いてたんだ」


「当たり前だろ。可っ愛い妹のことなんだ、気付かないわけがない」


「そうだよね」


大丈夫かな…?と呟く2人の心配そうな顔が本当に美依を愛しているということが痛いほど伝わってくる


そのことは、勿論…


『…ありがと…』


彼女もわかってる

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