氷河の果てに
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とある島___ハンバ島。
平穏な島。争いもなく、喧嘩もない。皆仲が良い島。
そんな島に1人、変わった少女がいた。
その名も___。
『今日も毎日同じ生活の地獄な毎日が始まった。チャララ〜ン』
トナーザ・ミナミ。
フードつきの白いロングなワンピースを着ている。フードは深く被り、顔が見えない。女か男かも分からない。声も女か男か分からない。手も袖が長いせいで見えない。
見えるものと言えば、足首程度だ。
そんなミナミは町をブラブラと歩いている。
「おや、ミナミちゃん。今日も顔が見えないねえ」
『ミステリアスでしょ。日焼け対策にもなるんだ。熱すぎて死にそうなときもあるけどね』
「ミナミちゃん!今度一緒にご飯食べましょうよ!」
『そうだね。全部奢ってくれるならいいよ。割り勘はダメだからね』
行くとこ行くとこ、人に声をかけられる。子供から老人まで。老若男女問わず人気ものだ。
住民からの評判はすこぶるいい。変わり者のミナミだが、そこがまた好かれる理由だ。
そして、もう1つの理由は__。
「ミナミちゃん、また海賊追っ払ってくれたんだって?ありがとうねえ」
『いえいえ。あんな小物は私の足元にも及びませんよ〜。』
「はっはっは。頼もしいねえ」
この島、海賊が良く立ち寄るのだ。グランドラインで珍しい、ログポースは関係なく立ち寄れる。
そのため、海賊は食料を奪ったりするのに島を訪れる。
『ふんふんふ〜ん。ふっふふ〜ん』
鼻歌を歌いながら街中を歩いていく。
今日は快晴。空にはまだらかな雲がほんの少しある程度だ。
風も心地よく吹き、木もさわさわと少し揺れている。