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□逆巻家
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「ほら、もっと力を抜いて?このままじゃ君が痛い思いをするだけだよ?」


そう言って首筋に舌を這わせられれば、思わず声が出そうになる。


勿論それを狙ってやってるんだろうけど。


そして羞恥に悶える私を見て楽しんでいるんだろう。


「ねぇ、ライト。やっぱり私・・・」


「何?今更止めるとか、そんなつまらないこと言わないよね?せっかく名無しちゃんの初めて、貰おうと思ったんだから」


ちゅっと音を立てて頬にキスをされれば、一段と羞恥が増すのを感じる。


こうされるのは多分、嫌じゃない。


嫌じゃないけど・・・


「ほら、口開けて?」


言われたとおりに口を開けると、咥内にライトの舌が侵入してきた。


私よりも少し体温の低いそれは、これでもかというほど私の中を侵し理性を奪っていく。


「ちゃんと君に気持ち良くなってもらいたいからね。名無しだって、痛いのは嫌だろう?」


その言葉に、思わず胸がキュンとなる。


少女漫画みたいな、そんな憧れから抜け出せない悪いクセ。


これが彼の優しさなのかは分からない。


むしろ自分の思い通りに私を操っているだけなのかも―


だけど少なくとも他の兄弟よりも好意的に接してくれる彼に絆されているのは事実だ。


「ふふっ、可愛い」


唇が離れたと思ったら、今度は思いっきり足を開かれた。


甘い時間は突如終わりを告げる。


突然のその行為に驚いた私は、抵抗を試みた。


「ちょっと待って!まだ」


「ヤダ。もう待てないって、分かってて言ってるでしょ?ホントに君は意地悪なんだから」


既に下着をはぎ取られたそこは、彼の視線に蹂躙されていて。


触られてもいないのに愛液が絶え間なく流れ続けているのが分かる。


一番敏感な場所に吐息を吹きかけられれば、羞恥で一杯になる。


「名無しちゃんのここ、凄く良い匂いがする。そうやってまた、僕を誘ってるの?」


「違っ・・・誘ってなんか」


私の言葉を遮るように、そこに人さし指を当ててきたライト。


びくびくと体が震えてしまう。


決して嫌な刺激じゃない。


それを知ってか知らずか、ペタペタと何度もそこに触れてくる。


「ほら、聞こえる?」


今度はくちゅり、と粘着質な音が聞こえてきた。


恥ずかしい。


思わず耳を塞ぎそうになる。


これが自分の体から出ている音なのかと思うと、もう・・・


「君は本当にエッチな子だね。僕の手をこんなに汚して」


「あっ、やめ・・・」


くちゅり、くちゅりと次第に大きくなっていく水音はそれだけで私の理性を崩壊させていく。


同時に、何度も抜き差しを繰り返されればおかしくなっていく私の体。


徐々に息が荒くなってくる。


先程よりも指が増えているような気もするが、もはや思考は回らない。


「そろそろ良いかな?ちょっと痛いかもしれないけど、僕からの愛をちゃんと受け取ってよね?」


耳元でそう囁かれると、少しだけ足を上にあげられた。


下から見上げるライトの様子は思っていた以上に艶めかしい。


すると、こちらが何か言おうとするのを待たずに、一気に重量感のあるものが侵入してきた。


「い、痛っ!」


それは聞いていたよりも随分と痛みを伴うもので。


体が裂けるんじゃないかって思った位。


妙な圧迫感と摩擦で感覚がぐちゃぐちゃになり、涙が出てくる。


「痛かった?でも大丈夫だよ、そのうち気持ちよくなるからさ」


私の上で楽しそうに律動を繰り返すライトはそう言うけれど、私にとってそれはまだ痛みでしかない。


「ライ、ト・・・あんまり、動か、ないで」


痛みをこらえながらも必死にそう懇願すると、なぜか嬉しそうに顔を近づけてきた。


「名無しちゃんの泣き顔、凄くそそられるよ?ほら、またそうやって。君は僕を煽るのがホントに上手だね」


どうやらそれは彼のスイッチを押してしまったようで。


結局痛みを伴ったまま、夜を迎えるまで延々と私は喘ぎつづけた。







「ねぇ、名無しちゃん?」


「何?」


私の体が動かないことをいいことに、行為が終わってからも私を離さないライト。


不思議と愛しさがこみあげてくるのは何故だろう。


「処女膜を再生させるのと、魂を他の子に移植するの、どっちがいい?」


「え?」


穏やかな空気に包まれていたのもつかの間、私は飛び起きた。


体が痛いのは百も承知だが、そうも言ってられない。


「ライト、何を言って・・・」


「だって、君の初めては今日僕が貰っちゃったじゃない?


僕は君を愛してはいるけど、やっぱり今の君よりも、初めての感覚に震えている君の方が好きなんだよね」


それは一体どういう―


「だからさ、まだ穢れを知らない子に君の魂を移して―て考えてたんだけど、やっぱりもう一度、君自身が痛みを味わった方がいいよね?」


この人はどうしてこんな―


「少しきつめに縫い合わせてもらおうか?そうすればきっと、今日以上に痛いだろうからさ」


満面の笑みでそう言いきったライトの腕から、私は逃れることができるのだろうか。







Deflorantism
性的倒錯シリーズ第一弾
このシリーズでいくつか書きたい

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