幸せの青い鳥 リターンズ

□過去の話
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「おいマルコ!!!どういうことだ!!!!」

医務室で在庫チェックをしていると
鬼の形相のエースが飛び込んできた
何事だよぃ
少なくとも俺はエースを
怒らせるようなことをした記憶はない
こんなに怒っているエースを見るのは
随分と久しぶりの気がする

できるだけ落ち着かせて話を聞くと
美由紀から本来の未来の話を
聞いてしまったらしい
なんでもその話の中に
エースの死んだはずの兄弟が
生きているかもしれないらしい
という情報があったそうだ

それを知っていたのに
今まで黙っていた美由紀に
腹を立てているらしい
そして俺も一枚噛んでいると
睨んだエースはここに乗り込んできたらしい
エースにしては頭が切れてるな

まさか美由紀もこんなことに
なるなんて予想していなかっただろう
エースを助けられたことに
気が緩んだのだろう
どう説明しようかとメガネを外し
深呼吸をした

マルコ「あの時は隠しておくしかなかったんだよぃ ティーチの野郎にサッチは刺されるしお前は飛び出しちまうし…」

エース「それでもっ…!!俺の兄弟のことは関係ないだろ!!」

エースの周りには
蜃気楼の様なものがたっていた
興奮しすぎて力を
制御しきれていないらしい
このままでは医務室が燃えてしまう
何とかしなければ…

エース「なんとか言えよ…!!マルコ!!!」

殴り掛かりそうな勢いのエースを
どう鎮めようかと考えていると
パタパタと遠くから足音が聞こえてきた

『エース…!っマルコ!?』

エースに胸ぐらを掴まれている俺を見て
美由紀はびっくりして
目を見開いていた
エースは俺を捕まえたまま
美由紀を睨みつけた

噛みつきそうな面持ちのエースを前に
怯んだように見えたが
美由紀は意を決したように
医務室に入ってきた

『エース!ごめんなさい…私、すごく無神経だった…』

そうハッキリとした声で言うと
深々と頭を下げた

『エースにとってどれだけ兄弟が大切か肌身で感じたはずなのに…!ごめん…!!』

誠心誠意謝る美由紀を見て
エースの怒りがだんだんと
落ち着いてきたようだった

エース「…っ もういい 俺も怒鳴って悪かった…」

美由紀はおそるおそる顔を上げた
今にも泣きそうな顔をしている
キレてるエースが相当に怖かったらしい

『ありがとう…』

エース「こっちこそ…サボが生きてると分かっただけ儲けものだよな」

エースはぎこちなく笑ってみせた
どうにか仲直りはできたようだ
また船を飛び出して
今度は兄弟を探してくる!
なんて言うかと思ったが意外にも
海は繋がっているのだからいつか会えるだろう
と呑気なことを言っていた
出航してすぐの
ちょっとした騒動は早々に収束された
出航そうそう不安にさせられるよぃ…




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