幸せの青い鳥 リターンズ

□兄弟の話
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私が危惧しているはサボのことだ
彼は“エースの死”という
大きなダメージと引き換えに
全ての記憶を取り戻す
きっと今もどこかで元気に
暮らしているのだ

果たして彼はちゃんと
記憶を取り戻すことが
出来たのだろうか…
私が知っている未来は
エースが救った所で終わっている
もう私が知っている未来じゃない
私たちで作った未来なのだ

『ねぇエース、実はね…』

私の知っている未来の話を
エースに話した
もう喋ってもいいかなっと気が緩んだ

エースは目玉が落ちそうなほど
目を見開いた
そしてみるみる泣きそうな
怒りたそうな顔をして私を見つめた

エース「なんで…なんで!それを!もっと早く教えてくれなかったんだ!」

エースの怒鳴り声が甲板に響いた
まさかこんなことになるなんて…!!
私の気遣いが足りないばっかりに
エースを傷つけてしまったらしい!

エースはそのまま
どこかへと消えてしまった
怒鳴り声を聞き付けてか
サッチがエースが消えた角から
飛び出してきた

サッチ「美由紀ちゃん!今エースの奴のすげぇ怒鳴り声聞こえたけど…何があったんだ?」

きっと泣きたいのはエースなのに
私の目からポロポロと涙が出ていた
泣き止まなきゃ…

『サッチ…どうしよう…エース怒らせちゃった…』

しゃくりあげながらサッチに泣きつくと
優しく頭を撫でてくれた

食堂に連れてこられてお茶を出された
少し落ち着いてから
ことのあらましを話した
エースがみんなにどこまで
自分の過去を伝えているのか
わからなかったから
探りながらだったが

サッチ「そうか…そんなことが…」

『私…エースに無神経なことしちゃった…謝らないと…』

エースに謝らなきゃいけない
頭ではわかっているが
どこにいるかも分からないし
合わせる顔もかける言葉も見つからない
…全部言い訳な気もする…
項垂れていると
また優しくサッチが頭を撫でてくれた

サッチ「大丈夫だ エースもきっとつい怒鳴っちまっただけだよ」

そうだ、そうだよね…
こんな所でうじうじしてちゃダメだよね
サッチに貰ったお茶を飲み干して
立ち上がった
エースのところに行かなくては

『私、エースに謝ってくる!』

サッチ「あぁ!話せばわかるさ」

サッチは優しい笑顔で送り出してくれた
とにかくエースを探してちゃんと
話をしなくちゃ…!

.



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