幸せの青い鳥 リターンズ

□船旅
1ページ/1ページ


大海原に漕ぎ出した船は
私たちの意志に反して
とても優雅に航路を進んでいた
こんなにものんびりとした船旅は
いつぶりだろうか
船は海軍から盗んできたものなので
モビーのように大きいわけでも
それぞれの部屋があるわけでもない
2隻に分かれて乗り
部屋割りも適当に決めて
船旅をしていた

この船での航海も2回目になるが
やっぱりモビー以外で
航海をするなんて不思議な気持ちだ

サッチ「おっ!美由紀ちゃん おはよう!」

食堂に顔を出すとサッチが
楽しそうにみんなの朝ごはんを
せっせと作っていた
この光景に何度も
涙が溢れそうになるのをぐっと堪えた

おはようと挨拶をして
プレートを受け取り席についた
海軍の船はとても綺麗だった
やはり規律が厳しいからだろうか
甲板は火の粉などですす汚れていたが
船内は塵一つないほど綺麗だ

ご飯を食べていると
マルコもプレートを持って
横に座ってきて
エースも姿が見えないくらいのご飯を
抱えてやって来て前に座る
仕事を放り出したサッチも
エースの隣に座って
何にもなかったあの日常を思い出す

過去にすがっていては
今を生きていくことは出来ない
そんなことは重々承知しているが
やっぱり思いを馳せてしまう
あの時ああしていれば
あの時こうしていれば…

ご飯も食べ終わり甲板を
散歩していると船首の方に
ステファンが座っていた
主人を失ったステファンは
どこか寂しそうな顔をしていた
頭を撫でてやると
寂しそうな顔のまま尻尾を振っていた

この船は一体
どこに向かっているのだろうか
黒ひげに落とし前戦争を仕掛けると
意気込んでいたが
黒ひげの居場所は
わかっているのだろうか?

突然ステファンがワンッと一声鳴いて
私を見上げた
不安な気持ちが顔に出ていたのだろうか
ステファンの耳の後ろを撫でてやると
幸せそうな顔をした
彼の笑顔は私の不安なんて簡単に吹っ飛んだ

エース「美由紀ー!!見てくれよ!!」

満面の笑みでエースが
新聞を掲げて走ってきた
エースから新聞を受け取り広げると
大きくルフィの写真が一面を飾っていた

よかった彼も生きていた…
涙で新聞が良く読めない
3D2Y…
エースが生きていても
ルフィは自分たちの弱さに気づき
修行の2年を選んだ…
よかった…

あと心残りがあるとすれば…

.



[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ