幸せの青い鳥 リターンズ

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白ひげ海賊団が全員集められ
話し合いの結果を伝えるようだ
マルコをはじめとして
隊長たちがズラッと並んでいる
こう見るとやっぱり圧巻の光景だ

マルコ「お前らも知っての通り、今白ひげ海賊団のナワバリがほかの海賊に襲われてる」

マルコは1600人前後の前で
堂々と声を張り上げる

ナワバリを守るのも大切だが
俺たちは白ひげ海賊団だ
ティーチの馬鹿に
仁義ってモンを叩き込んでやろうよぃ

地鳴りがするほどの雄叫びが
島全体を包んだような錯覚に陥った
やはりティーチのところに行くのだ
親父様の顔に泥を塗るどころか
恩を仇で返しているようなことが
許せないのだ
みんな同じ気持ちだ
エースにとってはリベンジ戦だ
ここからではよく見えないが
エースの周りには
蜃気楼が出来ているような気がした

クルー全員が慌ただしく動き始めた
私も立つ準備の手伝いをした
船の改修やら武器の補充やら
手伝えることを細々とやっていた

ちょうどロープを運んでいたところで
包帯などの補充をしていたはずの
マルコから引き止められた

マルコ「美由紀…お前はスフィンクスに残れよぃ」

スフィンクスというのは
親父様が作った村の名前

親父様の故郷の島だ
この島のすぐ近くにある
マルコはまた私のことを
置き去りにしていくつもりなのだ

『いやよ 私も一緒に行く』

今回こそは強い意志で
そう跳ね返すと
マルコは苦しそうな表情をした
そんな顔をされては
私の意思も萎んでしまいそうだ

マルコ「俺はこれ以上大切なものを失いたくねェんだよぃ…」

いい子だから残ってくれ
と私の頭を撫でる

『私だって大切なものを失いたくない』

ここは引くわけに行かない
じっとマルコの目を見据えると
はぁっとマルコは大きくため息をした
こうなると聞かねェからな…
と頭をガシガシかくと
わかったよぃ…ただし!もう無理すんなよぃ
と私に何度も約束をさせて
私も一緒に行くことを許してくれた
よかったぁ

『死ぬ時は一緒よ』

マルコ「縁起でもねェこと言ってんじゃねェよぃ」

私のおでこにデコピンすると
マルコは作業に戻っていった
それを見届けると私も作業へと戻った
今度こそ大切なものを守りきるんだ…!

きっとここにいる全員が
同じ決意をしているだろう
今度こそ何も失わないと

出航の準備が整い
それぞれ船に乗り込み始めた
私もマルコと一緒の船に乗ろうと
マルコを探す

マルコは1人ぽつんと
親父様の墓前にたっていた
親父様が使っていた薙刀を軸にして
作られた十字架に花飾りがなびいている
一体何をお話しているのだろう

マルコ「美由紀まだ船に乗ってなかったのかぃ 村に残る決心でもしたか?」

『マルコを探しに来たのよ』

マルコの軽口を流し
一緒に船に乗り込んだ

教えてやろう
ティーチの馬鹿に

.



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