幸せの青い鳥 リターンズ

□プロローグ
1ページ/1ページ


優しい風が私のスカートを
ふわりと弄んだ

ティーチもとい黒ひげによる
サッチ殺人未遂事件後
エースが黒ひげを追いかけ
捕まってしまい
それが引き金となり
後世にも語り継がれる程の
大戦争となった頂上決戦
世間的には海軍の惨敗となっているが
白ひげ海賊団は船長
エドワード・ニューゲート
通称白ひげを失い
大きな痛手となった

進路を失った
私たちの今後を決めるため
隊長たちは傘下の海賊団が
散り散りになった後も
話し合いを進めている
船ならばこんな穏やかな日は
順調に航路を進むのだが
話し合いはそうもいかず
難航している用だった

マルコ「またここにいたのかぃ」

振り返れば私の愛しい人
不死鳥マルコがこちらに向かっていた
ここに降り立った時に
巻かれていた包帯も
今ではすっかり取れている

『なんだか落ち着くから…』

ナースのお姉さんたちは
それぞれの故郷へと
傘下の船に乗って帰っていった
親父様がいなくなってしまった今
留まる理由はもうないのだ
いつも構ってくれた
お姉さんたちがいなくなり
1人で過ごすことが増えた今
崖のギリギリまで花畑が続く
幻想的なこの場所は
私にとってお気に入りだった

難しい話は分からないし
私は今後どうなろうとも
マルコに着いていくと決めているから
話し合いにしゃしゃり出る気は
毛頭なかった

マルコも私と一緒に花畑に座り込むと
並んで水平線の向こうを眺めた
カモメがゆったりと空を泳ぎ
波はキラキラと輝き
つい先日大戦争があっただなんて
嘘みたいな光景だ

『私たちこれからどうなるの?』

マルコ「…美由紀はどうしたいと思ってる?」

マルコは難しい顔をしていた
元白ひげ海賊団No.2ともなると
やはり何かと難しいことが
あるのだろう
私には検討もつかないけれど

『私はマルコにどこでもついて行くって決めてるの』

マルコに笑いかけてみせると
そうか…とマルコも微笑み返してくれる
そんな小さなことでも
私の胸はポカポカと暖かくなった

マルコ「さってと 休憩は終わりだよぃ そろそろ話し合いに蹴りをつけるか」

私の頭を軽く撫でると
マルコは話し合いをしている
いつもの場所へと戻って行った

ニュースクーは
決戦が終わってすぐから
暗いニュースばかりを運んできた
親父様の名前で守っていた島々が
近くでくすぶっていた海賊たちが
こぞって襲い始め軽く混乱を極めている
さらに不思議なことに
ルフィが死んだという説が
世の中では有力となっている
ルフィはローに助けられ
その後はレイリーさんの元で
修行をするはずだが…
今となっては確認しようもない
未来を変えたせいで
何が起こるかわからない
ルフィたちも大好きだから
ちゃんと明るい未来へと進んでほしい…

今なぜ話し合いが難航しているかというと
傘下の島々を守りにいくことを
優先しようという意見と
黒ひげに対して弔い合戦を仕掛けよう
という意見で割れているそうだ
どちらにせよ
戦いは避けては通れなさそうだ
一応銃の手入れはしてあるから
困りはしない

出発の時間はもうすぐだろう

.



[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ