幸せの青い鳥 2

□出航
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出航の日だと言うのに朝早くから
マルコはどこかへと出かけてしまった
私はまた今日も1人で
食堂まで向かった

エースが目の前で
食っちゃ寝を繰り返しているのを
見ながら朝ごはんのサラダを
突ついていると隣に
サッチが座ってきた

『サッチおはよう』

サッチ「おはよう!美由紀チャン!」

サッチはご機嫌で私にデザートを
渡してくれた
今日のデザートはガトーショコラ
丁寧に泡立てたホイップが付き

『今日はご機嫌だね?』

サッチ「んー?まぁなっ!ヒヒッ」

サッチがなにやら怪しい笑い声を
上げているけどそれはスルーして
ガトーショコラに手を付けた

エース「そいえばマルコはどこに行ったんだ?」

『どこだろうね、サッチ知らない?』

サッチ「さぁなっ!ニヒヒッ」

『サッチ…おかしいよ。』

おっと思わず本音がポロリ…
サッチはなんだとー!って
言いながら私の頭をわしゃわしゃする
あーあ、せっかく髪とかしたのに!

朝食を終えると
なんだか船が慌ただしかった
出航に備えていろいろあるらしい
私はお手伝いも出来ず
いるだけ邪魔だから近くの浜辺で
ステファンと遊んでいた

ステファンは大きくて
私と並んでいるとたぶん
フ○ンダースの犬くらいある
ステファンはタダの犬って言うより
山犬とか、オオカミとか
そーゆー類だと思う
犬のことはよくわからないけどね

私が街でステファンの
お土産に買ってきた
バレーボールくらいの真っ白いボール
それをステファンは
投げてやると嬉しそうに
パタパタと尻尾を振って
簡単にくわえて持ってくる
バレーボール大なのに。
不思議なものでステファンが
持っているとボールが小さく見える

『ステファンはいい子だね〜よしよし』

ステファンのもふもふした
頭を撫でていると足音がした

マルコ「こんなところで何やってるんだよぃ?」

『なんかみんな出航準備で忙しそうで私なんにもお手伝いできないからせめて邪魔にならないようにと思ってステファンと遊んでるの』

マルコ「そうか、ステファン遊んでもらえてよかったな」

マルコがステファンの頭を撫でると
ステファンは気持ち良さそうに
目を細めてわんわん!と
嬉しそうに鳴きさらに尻尾を振った
マルコに頭を撫でてもらうの
そんなに気持ちいいのかな?
いいなー……
な、なんて思ってないよっ!?
私そんなこと考えてないよっ⁉︎

1人でワタワタしていると
マルコがその様子に気がついて
プッと吹き出した
全く変なやつだよぃ
って言いながら
タラップを上がって行った
手には何やら袋を持っている
何か買い物してきたのかな?

それからしばらく
ステファンと浜辺で遊んでいた

ハルタ「美由紀ー!ご飯食べよー!!」

珍しくハルタくんが
私のところにやってきた
ニコニコと大きく手を振りながら

『うん!お腹減った、ステファンもお昼食べに行こうか』

ステファン「わんわん!」

出航は午後の予定らしい
まだもう少し余裕がある
今度は何をしていようかな

.

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