依存症 3

□ドキドキ
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夕食はバイキング制で
好きなものを好きなだけ
って感じだった

マルコの予定によると
停泊中はこのホテルで過ごすらしい
2人きりでそんなに長い時間過ごせるなんて夢のようだ
だけど泊まりの服なんて
持って来ていないから
明日船に一度戻るつもりだ

そう思っていたんだけど
マルコが気を利かせてお姉さんに
連絡を入れてくれたらしく
部屋に戻るとフロントから
キャリーケースが届いた
私の分とマルコの分
なんかマルコはもともと
部屋に届くようにしておいたらしい
その気を利かせを
泊まる前にしてほしかったな!
キャリーケースを開けると
しっかり4日分の着替えが入っていた
お姉さんたちのコーディネートなので
少し不安に思っていたけど
いつもお姉さんたちが来ているような
セクシーで派手なやつじゃなくて
私が普段来ているようなので安心した
…こんなこと言ったら
お姉さんたち怒るかしら?

キャリーケースを
部屋の隅に寄せて一息つく
そこで私は
気がついてしまったのです…‼︎
4日間マルコと2人きりだ
と言うことに…‼︎
何が問題かって私の心臓です
保つかな⁉︎ドキドキで潰れないかな⁉︎

マルコ「真弓、何深刻そうな顔してんだよぃ?」

マルコはアホを見る顔で私を見た
実際アホですけど何か!
マルコは窓の外を見てから時計を見た
そして手招きをする

『ん?何かあるの?』

近づいて外を見つめると
ドーーーーンッと体の芯に響く音
海賊稼業がすっかり板についた私は
一瞬奇襲かと思ったが
空にまばゆい光が瞬いて
ハラハラと落ちていった
花火だ‼︎

マルコ「今日は花火大会の最終日なんだと 今日が一番豪華らしいよぃ」

マルコはなんでもないように言った
私のために調べてくれたのかしら?
なんて自意識過剰になってみたり

私たちが会話をしている間にも
空には次々と花火が咲き乱れる
しばしその幻想的で美しい景色に
酔いしれて口数も少なくなり
等々無言で花火を眺めた
美しく壮大に咲いた花は
ほんの数秒で儚く散っていく
その姿を現わす力量が
私にないことが悔いてならない
花火に目を奪われていると
マルコが後ろから近づいてきた

マルコ「花見酒なんてどうだぃ?」

そう言って瓶とコップを見せた
飲む気満々じゃん!



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