依存症 3

□くれーぷ
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私がずっと拗ねていると
マルコが呆れて
クレープ買ってくれるって言ってくれた
遠くにお店が見えてきた

マルコ「ずいぶん並んでるなぁ…真弓そこで待ってろぃ」

そう言われて私は大人しく
ベンチに座ってマルコを待つことにした
親子連れの中にパイナップルが
混ざっていてちょっと面白い
ベンチには木漏れ日が差していて
とても心地が良かった

と、そこへチャラチャラした人達が
2人連れ立ってこちらへ近づいてきた
ベンチに座るのかと思って端に寄る
だけどその人たちは私の反対側じゃなくて
私の方へと迷わずやって来た

「お姉ちゃん1人なの?」

いや こんなところに1人でくるとか
どんだけ勇気が必要なのよ⁉︎
絶対嫌よっ 惨めじゃない!

「ねぇねぇ俺たちと遊ばない?」

遊ばないよ!
と言うわけで無視を決め込んでいる

「あ、友達とか待ってるの?」

そろそろウザくなってくるよねっ
でも涼しい顔して
聞こえないふりをしていた

「おい お前無視すんなよっ」

相手もイライラしてきて
私に手をかけてきた
全くもう無視を決め込んでられないね

『私 1人じゃないんです 夫ときてるしここに…』

そう意味深に自分のお腹を撫でると
チャラチャラした奴は
ハッとした顔になってどこかへといった
嘘っぱちなんですけどね
笑って見送るとその奥にマルコが立っていた

『あ!おかえり〜』

マルコ「お、お前…夫って…こ、子どもっ⁉︎」

パニックになってる
ちょっとツボる
あははっと声をあげて笑うと
マルコはクレープを持ったまま
呆然と
子ども…子ども…ってうわごとのように
繰り返していた

『嘘よ う そ !』

マルコ「嘘…⁉︎」

『だって面倒くさいじゃない?あーゆー人達って』

マルコは私の隣に座って
はぁーーっと長い息を吐いた

マルコ「俺に見覚えねぇし 誰との子かと思ったよぃ…」

『大丈夫 浮気なんてできないから』

マルコに笑いかけると
グシャッと私の頭を撫でた
クレープを手渡してくれる
ふんわりと甘いクリームの味が
口の中に広がった

マルコ「できないってどういう意味だよぃ?」

『ん〜…それだけ好きってこと!』

マルコはビックリしてクレープを
落としそうになっていた
自分で言っていたのに
私の顔にも熱が集まってきた
マルコのが移ったのかな?



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