依存症 2

□ナイショ
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もうすぐアイツの誕生日だ
本人の口から聞いたわけではないが
ナースたちが誕生日占いをしている時に
聞いたらしい

これだけ人数の多い船だ
普通は誰か一人のためにこんな全体で
祝うことなんてまずねェ
が、アイツは特別だ
どこの隊にも属さねェしな
誕生日会は大体隊別にやってたりする
後は個別だ
アイツの誕生日会はオヤジが
どうしてもと企画した
オヤジにとって可愛い愛娘だしな
男ばっかりでむさ苦しい家族だし
まぁ可愛がりたくもなるよな

今俺はアイツの誕生日会が明日に迫る中
買い出しの真っ最中だ
今停泊している島は
俺たちの船がある方から見れば
一見人の手付かずの無人島に見えるが
本来はちょうど反対側に小さな町がある
それなりに繁栄してはいるが
俺が言うのもなんだが
無法者が多く街全体がスラムのようで
治安が悪くとてもじゃねェが
船を停泊させられるような場所じゃねェ
そんな危ねェ所に
アイツを上陸させるわけにもいかねェし…
あえて街と反対側に船を停泊させた

停泊した場所から街へは歩けば半日
船もしくは空からなら2、3時間
と言うことで俺とエースが
買い出しに行く予定だったのだが
エースのヤツそこまで器用でもねェのに
手作りのプレゼントにする
とか言いやがって結局完成が遅れ
俺だけが来ることになったんだよぃ
ったくエースは…

買い出しはアイツの誕生日プレゼントだ

全隊の隊長たちから何を取ってくれば
メモを預かっている
買い出しと言っても買うものは何もなく
隊長たちが注文したものを取りに行くだけだ
注文はすでに隊員に行かせるなり
自分で足を運ぶなりして済ませてあるらしい
取りに行くのも
自分たちでやってもらえると
ありがてェんだがねぃ…

まぁそれはさておき
無事に全隊分のプレゼントを受け取り終え
今は船へと向かっている
そろそろアイツが起き出す時間だな
早く帰られねェと
怪しまれちまうかもしれねェよぃ

気付かれてねェといいんだがねぃ

.

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