依存症 2

□マルコのいない朝が来た
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朝日が部屋に差し込み目が覚める
なんて健康的なのかしら
……早くカーテンをつけよう。
目を瞑ってみても眩しくて眠れやしない

軽く身支度をして外に出ると
朝のいい香りがした
朝って独特の香りがしていいよね
私は結構好きかも
ふらふらと甲板を散歩していると
ビスタさんが甲板にテーブルを出して
モーニングティーを嗜んでいる
英国紳士っぽい
でも絶対あのテーブルと椅子
自分で運んで来てるよね
英国紳士は真っ青ね

ビスタ「真弓じゃないか、一緒にどうだい?」

『おはよう!ビスタさん お言葉に甘えてご一緒させていただきますわ』

軽くスカートを摘まんで
恭しく挨拶をしてみる
ちょっとだけ立派なレディに見えたかな?

ビスタ「今朝は私特製のブレンドティーだ」

一口飲むと目の覚める紅茶の香りが
口いっぱいに広がった
ちょっと寝ぼけていた頭が
ようやくお目覚めのよう

ビスタ「お口にあったかな?」

『とっても美味しいですわ』

またお嬢様口調でニッコリ答えたら
ビスタさんったら
ふふっあまりに合わんな
って失礼じゃない⁉︎失礼だよね⁉︎
むぅっと膨れてそっぽを向いた
ふと見渡すといつもある姿がない
紫のジャケットが見当たらない
もちろんパイナップルのシルエットも

『ビスタさん、マルコは?』

ビスタ「マルコ?さぁねぇ…」

昨日からみんな様子がおかしい!
真弓、泣いちゃうっ‼︎
また話を濁された…

ビスタさんはいつも花言葉とか詩とか
ロマンチックな話をしてくれる
もちろん今日も
なんとかさんの詩はとても純粋で
みたいなことを話してくれてる
楽しいよ、楽しいけど!
今日は違うんだよなぁ…何かが…
みんな私に隠し事をしてる
何を隠してるのかな?

マルコのいない朝はなんだか落ち着かない


.

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