幸せの青い鳥 2

□大人の時間
1ページ/1ページ


書類整理が終わり
ふと時計に目をやると
もう12時を回っていた
グッと伸びをして固まった体を解す

サッチ「マルコ!飲もうぜ!」

サッチの野郎がノックもせずに
酒瓶片手に入ってきた
こいつと2人でなんて久しぶりだよぃ
サッチは俺の机の上のものを
テキトウに端に寄せると
その上に酒瓶とコップを2つ置いた

マルコ「珍しいじゃねぇかどういう風の吹き回しだよぃ」

サッチ「へへっ、恋のキューピッドだよ」

こいつは何を言ってるのか
いつもわからねぇ…
サッチは酒瓶からトクトクと
コップに酒を注ぎながら
ニヤニヤしている
俺にコップを渡すと早速一口飲んだ
俺も一口、口に含む
強いウォッカの味がする

サッチ「最近美由紀ちゃんとはどうなんだよ?」

マルコ「何をいきなり…何もねェよぃ」

サッチは真剣な顔になって聞いてきた
が、別に今のところは
美由紀とどうこうなったわけではない
素知らぬふりをしながら
酒を口に運んでいると
サッチがいきなり
バンッと机を叩いた
いくら酒が強ェからって
もう酔ったのかよぃ?

サッチ「お前っ!美由紀ちゃんの気持ちわかってやれよ!」

ふとサッチの横の酒瓶を見ると
いつの間にかあんなにあった酒が
半分くらいになっている
あいつ…こんな強ェのガバガバと
水みたいに飲んでいやがったのか…
俺が一杯飲み終わるまでに
少なくとも8杯は飲んでたのだろう

サッチ「なんで美由紀ちゃんの気持ちわかってやらねェんだ!」

美由紀の気持ち…
あいつが俺に惚れていることは
薄々気がついていた
でも美由紀とじゃ
歳が離れすぎている
ここにはもっと若ェ奴らもいる
エースの方がずっとお似合いだ
ここ前甲板で見かけた時も思った
自信がねェ…
もしかしたら美由紀も
一時の気の迷いかもしれねェし

サッチ「ゴチャゴチャ考えてんじゃねェよっ!」

サッチがいきなり頭に
チョップをしてきた
いきなり何すンだよぃ!

マルコ「ゴチャゴチャ考えてねェよぃ!」

サッチ「いーや!考えてる!当ててやる!美由紀ちゃんとは歳が離れすぎているとか!エースの方がお似合いだとか!」

図星すぎて驚いたよぃ…
なんか見えてんのか?
サッチはこういうところだけ鋭い…

酒のピッチが速ェからもう顔が
赤くなって来てやがる
グビグビと喉を鳴らしながら酒を呷る

マルコ「歳はどう足掻いても埋められねェ、美由紀も一時の気の迷いかもしれねェだろぃ」

冷静に切り返しながら
酒に口をつけた
サッチはもうベロンベロンに
酔っていた

サッチ「お前、美由紀ちゃんを誰かに取られてもいいのかよ⁉︎イゾウの方がよっぽど積極てきだぞっ⁉︎」

確かにイゾウに宣戦布告された気がする
イゾウは最近美由紀に
戦い方を教えているせいか
よく一緒に見かける
嬉しそうにニコニコとイゾウと
会話をしている美由紀がいる

サッチ「お前は知らねェかもしれねェけど!他にも沢山いるからなっ⁉︎」

確かに廊下で楽しそうにクルーと
話をしている美由紀を見かけた
クルーの中にも美由紀と歳が近い奴らが多い
そいつらの方が…

サッチ「めんどくせェやつだなぁ!美由紀ちゃんは本気だぞ⁉︎応えてやれよ!美由紀ちゃんの気持ちに!」

でも…な…





.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ