幸せの青い鳥 2

□歌好きなお嬢さん
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突然だが俺は今ものすごく楽しい
よく表情が読み取れないだの
腹の中が見えねェだのと言われるが
そんなこと無いとは自分では思っている
現に今笑い出しそうなの抑えている

イゾウ「お、マルコじゃないか」

マルコ「あぁ、イゾウかぃ」

マルコに声を掛けると一瞥はしたものの
また少し遠くを見つめた
そこにはデッキブラシを持って
鼻歌交じりに楽しそうに掃除をする
親父の大事な愛娘俺たちの可愛い妹
美由紀がいる

イゾウ「美由紀は歌が好きだな」

マルコ「あぁそうだな、よく1人で歌ってるよな」

イゾウ「可愛らしいよな」

マルコ「っ⁉︎ ……よぃ」

マルコは少々複雑そうな顔をした
これがたまらなく面白いのだ
普段から冷静沈着で実質上
白ひげ海賊団No.2に位置する男
そんなマルコがこんなにも
たった1人の女に惚れ込んでいる
これをイジらないてはない
俺にとっては恰好の暇つぶしだ

実際俺も美由紀に気がないわけではない
なぜか美由紀に惹きつけられる
美由紀にはそんな不思議な魅力があった

イゾウ「マルコ、うかうかしていると誰かに取られちまうぞ?お宝は誰の目にだって魅力的に映るものさ」

マルコ「どういう意味だよぃ」

マルコは冷静を装って返してくる
余裕なんてこれっぽっちもねェクセに
青臭いね、おっさんなのに
まぁそういう俺も美由紀には
どうしても手を出せていない
俺も青臭いってことかね

遠くのほうで歌う美由紀
それに飛びつくステファン
水が舞ったシャボンも飛んだ
歌声は聞こえなくなったが
美由紀の無邪気な笑い声が聞こえる
そんな彼女がたまらなく愛おしい



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