幸せの青い鳥

□海
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ピクニックの帰り道
マルコは空を見上げた

それにつられて私も空を見た

日が沈みかけている空は
だんだんとオレンジ色に染まっていく
紅茶のように綺麗なオレンジ色に...

マルコ「どこから見上げても空だけは変わらねぇな」

マルコがそんなことをぽつりとつぶやいた
マルコもきっと家族が恋しいのだろう

海に行けばマルコは家族の元へ帰れる
そんな気がした

だから今日もあえて海に行こうとは誘わなかった

なんて嫌なやつなんだろうか
つくづく自分が嫌になる

後一日、後一日だけ...
そう願ってしまう
マルコのいるべき場所はわかっているのに

私は無意識にフェニックスの家の紐を
ぎゅっと強く握りしめていた

空を見上げるマルコの顔が
とても切なく照らし出される

マルコ「早く帰らねぇと暗くなってきちまうぞぃ」

『そうだね、早く帰ろうか』

私たちはまた歩き出した
空には気の早い星達がきらきらと
顔を出し始めた

マルコ「美由紀、またお前の音色聞かせろよぃ」

『ふふ、もちろんだよ』

マルコのお願いを聞かないはずがない

マルコは笑顔を浮かべていた
私最低なのに...

でもその笑顔がとても嬉しく感じた

後一日でも多くこの笑顔を見ていたいと
この期に及んでも思ってしまう

だって...
大好きだから....

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