冒頭から行かせてもらうが。
吠舞羅と名のあるチンピラ集団の中で
唯一の少女櫛名アンナを差し置いておき、男集団の中で一回り小さく、心も狭い八田美咲という男がいた。

何と、その男は、19年と過ごしてきた中で未だDTなのだが、周りの男女問わず、やたら愛でられ求愛されるという。





「童貞で何が悪い!!!!!!」



1月2日、年明けから一日経過した午後10時の出来事。何の制御もない大声で、自重一切と無い言葉をBarHOMRAにて八田が叫び散らした。
それも、皆が結構楽しみに思う年賀状とやらが届いたから、わらわらとむさ苦しくソファの前に置かれた机に広げて覗き込み中心にいた十束多々良が一つ一つ誰宛かを分別している最中。
輪の中に混ざっていた八田の不意の発狂だったものだから、鎌本が驚きすぎて、意識を手放した。


「「「「「鎌本おおおおおお!!Σ」」」」」


一斉に其処に居た面子が犠牲になった彼の名前を呼ぶ、でも大丈夫だ、鎌本はぴくぴくと痙攣している、動いている、生きている。


「いきなりどうしたんよ、八田ちゃん。」


年賀状漁り集団に混ざらず、若き乍もBarのマスターを務める草薙出雲が、カウンター席から八田に穏やかな口調でそう問うてはゆるり首を傾ける。
すると八田はふぎゅぅ、とでも効果音がなりそうな程に泣きそうに顔を顰めて草薙の元へと駆け寄った。
勿論鎌本には謝罪なく。
でも大丈夫だ、生きている。


「見てくださいよ、此れ」


草薙の元に駆け寄った八田が、何時の間にとったのか自分宛の年賀状を草薙の前にベンっ、と翳した。其れをレンズ越しに目を通す。
其処に描かれていたのは“DT卒業頑張れ!俺最近彼女できたんだ!”とか“結婚できました^p^お前も頑張れwwwww無理だと思うケドm9(^Д^)プギャー”や“俺がDT卒業させてやんよBY伏見”等々。
見覚えのある人物の名があったが空気を読もうと草薙はスルースキルを身につけた。


「此れは…、偉い傷つけるような文ばっかやな、」


「まぁ、全っ然気にしてませんがね!」


「気にしとるんやね、」


「…。いや、…はい。」



取り敢えず八田が少なからずショックを受けたことは分かった、通りであのくせっけに今日は何時もよりボリュームがないわけだ。
草薙は其の年賀状にと八田を交互に見ては何故かぶふっ、と笑いを溢した。その時、


「八田、そんなにいやなら俺が童貞を卒業させてやる」


草薙と同様其の年賀状の輪から外れてカウンター席で煙草を吸っていた周防がやけに真面目に声を出す。其れを聞いた面子はばっ、と周防の方を見ては目を丸めた


「…な、何言うてんの尊おおおおΣ、」


「…ぇ(トゥンク」


「トゥンクじゃないわ八田ちゃん阿呆う!」


がしゃっ、と草薙が驚きのあまり落としたグラスがわれては全員もそちらに目をやるがまさかの八田の反応に皆目を疑った。


「八田ちゃん!せめて俺にしとき!痛くせぇへんから!」


「いやいやいや八田さん!俺の方がうまいっすよ「何言ってんねん!!」


「何言ってンだあ三下ぁ!美咲は俺のもんなんだよおお「何処から来たん伏見!!!」


何処かから参戦した者たちが負けじと自分をアピールし始める、八田は其れを呆然と見送るやある一名は最早シャットアウトした状態で困った様な苦笑を浮かべる。
すると黙っていた周防が八田に近づくとぐと抱き寄せた


「…っ、ぇ」


煩かった面子に沈黙が訪れる、周防の何を考えているか全く読み取れない真顔さ、そして不可侵な行動に八田は目を丸々と開いては頬を紅潮させた。


「八田、俺のことが好きと言っていたな、」


「ふぇ?!、あ、は、はい」


「俺も好きだ。」


「Σ、え”」


「部屋行くぞ」


「へ、?ええ、……は、い」


「ちょっ、待ちいな行ったらあかんやろ八田ちゃん!!」


ばたん、と部屋が閉まったろう音が、バーの一階にて、響いたという。




*********




部屋に入った八田は扉を後ろに、周防を見上げていた。周防の手が八田の頭に乗せられてわしゃわしゃと髪を乱し撫でられる、
正直、八田としてはかなり緊迫した空気だった
先程の話の流れ的に流れるに流され此処まで来てしまったものだから、憧れの人だそして周防のことは好きだ、
でも脚が小刻みに震える、
すると周防が撫でる手を止めて扉側に居た八田の躰又は手を引いてはベットに寝転ばせた


「…っ、…」


「八田安心しろ。」


「…え?、」


「無理矢理オマエにさせる気はない、…あいつ等が静かになるまで寝とけ」


「尊さ…っ」


八田の横に周防もごろ寝しては薄く微笑を綻ばせながらに言葉を八田に掛ける、予想に反する言葉に瞳を見開くがつられたように笑みが漏れれば周防に抱き締められて、暖かみに眠気も誘われて眠りに落ちたという。




***





尊さんマジ男前





▼おまけ
Bar一階にて

「美咲…美咲ぃ」
「八田ちゃん…どないしよもう」
「八田さああああんんn」
「美咲いいいいいいい美咲いいいいいいい」



【かなり煩かったそう。】









**********


宵月様リクエスト総受けからの尊美ラブラブです!
なんかみんな荒ぶって…ます
尊美好きなのになんでこんなことになってしまったのか…。
ごめんなさい←
なんで今更年賀状関連1月2日なんだろう
なんて質問受け付けませんからあああああ(殴
本当ごめんなさい

遅くなりましたがリクエスト消化です!
本当にこのたびはリクエスト有難う御座いました!!





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