艶のある黒髪は、肩に掛る位迄伸びていて、色白な肌に良く映えていた。
正直、文句なしで凄く綺麗だと思う。






けど、
此の今の俺の現状は如何程の物かと窺える。

先前、八咫烏こと八田美咲は自室のベットの上に居た。
正確には寝ていたといえるが。
兎も角、其寝ている最中、鼻に何かふに、と誰かしらの柔らかい感触が当たって重たい瞼を厭々にも開いたところ。
其処に、黒髪の美女がいた

というのが現在の状況である。
相手がだれかはわからないし、部屋にこのような女性を連れ込んだ覚えもない、寧ろそんな事する度胸もない。

誰だ、何て思う以前に先に反射的に体が動いた。
所謂あまりの驚きから体が海老の如く逸れて床にどしん、と痛々しい音を立てて腰から落下した。
非常に痛かった等実際落ちて見ぬとわからぬものだろう此の痛みは。。
すると其の音のせいだろうか眼前ですやすやと眠っていた女性が、長いまつ毛を揺らし乍に瞼を開いた。


そして…、



「…美咲ぃ?お前家でもンな童貞丸出しなのかよ本当可愛いなァー。」










女の正体は、
ただの変態猿比古だったという
(ということで綺麗なんていったのは全て記憶から抹消してくr)










*********










「な、んでテメェがンな所にいんだよ?!」



あれから刻はあまり経っていなかった、
衝撃のカミングアウトに瞳孔が開いてから、なにも言葉が口から出ず、
今やっと相手に対する問いが発せられたというところだった。
眼前の自称女猿比古は緩く口元に曲線を描き綺麗な微笑を浮かべている。
全くベットの上から動く気無く。


「何で、って話したら長くなるけど聞いてくれんのかよ」


長いのなら聞く気も失せるものだが此の状況下、
幾ら眼前の女性が猿でもなにか嫌にそわそわと気が収まらないし、
理由を知っておかなければ此方も色々とあれがあれだからだ。ウン。
兎に角早く帰ってほしいものだった



「話せよ」


「…しょーがねーな、…わかった、」


こく、と猿がひとつ首を縦に振ると咳払いをしては口を開いた


「此の前建設された研究所の一人の男研究員が薬品の調合に失敗して目的と違う薬を作った。古典的に言えば薬品の調合って失敗したら爆発するじゃん、でも今回はしなかった。残念だよな。まぁそんなことはおいておき、其の失敗した薬がどんなものになってしまったのか、否、これはただの失敗作か否かを調べるために鼠に注射で体内に入れたらしい。そしたら驚き次の日研究結果を確かめに鼠を見に行ったら性別がぎゃk「、いかにも素人が考えた嘘にしか聞こえねぇよ」


薬品の調合やら性別反転やらと普段の会話では使わないような言葉を連呼する猿を冷たい目で見詰めた後
正直に思ったことをすらりと述べる。
其れを聞いた猿は、はは、と笑みを浮かべては本当のことだ、
なんて言うものだからいまいち信用ならない。


「んで、其の研究員、今セプター4の監視下にあるんだ、そしたらさいつのまにか研究員から室長が其の薬預かってて、遊び半分で俺に飲ませたワケ、で、こーなった。」



だれかあの青の王誰よりも先に連行した方がいい気がする。

猿はベットに腰掛けぶらぶらと足を振りながら満更でもないように語っていた。
そもそも、


「それ、元に戻れんのかよ」


「当たり前だろ、一日たったら戻る量しか飲まされてないから」


「なんで俺の家知ってンだよ」


「俺美咲のカレシだから」


「…、どうやって家入ったんだよ」


「ピッキングしようとしたんだけどそれも色々準備が必要じゃん、だからてっとり早くこっそり美咲の家の鍵ポケットから奪って鍵屋もってって合鍵作ってもらった」


「…?!Σ、いつのまに…っ、て合鍵ぃ?!」


みるみると暴露されて行く真実に思わず目を見開きながらに猿に質問を繰り返す時間が刻々と過ぎた。
矢張どこか楽しげに訳を話す猿と俺の空間に、入ってくるのはただ、鳥の声と風で靡く木々だけ、
完全に俺たちが黙ると産み出されるだろう沈黙空間を有無も気にせず、
猿はまたしゃべりだす、
が。
今回は俺にとってただ事じゃない言葉が発しられた。


「で、今日は美咲に使おうと思って室長に借りてきた、薬。」


「は?」


「美咲が女の姿の時に、」


「…、と、時に?」


「俺たちのガキを孕ませるため「やなこったああああああ!!!、」



とんでもない外道下衆野蛮変態野郎発言を耳にしてしまい激しく頭痛が起こった。
それでも矢張当たり前のように、しかも本日一番輝いているだろう笑顔で其を告げたものだから驚くに決まっている。
てかなに宗像は薬部下にわたしてんだ、
大事なものなんだよなそれ、え?
アイツ先ず牢屋にぶち込むべきだろ


「はい美咲、あーん」


「あーん、じゃねえ!飲むかぼけえ!!」


「…じゃああらゆる穴からぶちこむぞ「なにそれ怖いΣ」(※下ネタ失礼)


やっとベットから降りた猿は、紫色の、如何にも怪しい色をした液体の入った瓶を右手に持ちながらじりじりと此方に詰め寄ってくる。
殴るとか、蹴るとかで回避できる可能性は十分にあるが生憎、
俺には女を蹴る何ざ到底できたものではなかった。



「美咲ぃ、子供産まれたら何て名前にするー?、女になったら美咲って名前も恥ずかしくなくなるねえ、子供産まれたら二人で暮らそうなみーさーきぃー。」







女になっても、猿は猿だったよ。






「死ねこんの変態ド畜生があああああッ!!!」







早朝に響き渡った其怒号と何者かが壁に追突したようなドンッ、という痛々しい音は、
幻聴だとは言い訳できないものに酷いものだったろうと、自分でも思う。
それでも約目覚めてから二時間、
よくアイツの言動に耐えれたものだと逆に褒めて頂きたい。





*************








「伏見くん、大丈夫ですか?」



場は、真っ白な壁に囲まれた病院の個室だった。
其部屋のベットに横たわるのは腕と、足に包帯を括り付けられて、不貞腐れた表情を浮かべている一人の青年、伏見猿比古。
其の伏見を見下ろしながら声を掛けるのは伏見と同じく眼鏡をかけたセプター4の宗像礼司。
すでに薬の効果が切れ、元の男の姿に戻った伏見を
自棄に半笑気味に宗像が見下ろしていた


「八田美咲も随分とお怒りでしたよ」


「そっすか、」


「でも任務に失敗するなんて伏見君らしくないですね」


「任務じゃないでしょ、俺たちの勝手な行動ですよ、ほぼアンタのせいだけどな」


「私のせいではありませんよ単独行動をした貴方の責任です。……まぁ八田美咲は私の嫁候補ですから貴方に子を孕ませるなんて絶対させないつもりでしたが」


「美咲はあげませんよ」


「いえ、初めから私の所有物です」


「違います俺のです」


「いやわたしの「室長」


「あ、淡島副長…、」


「あ、淡島君どうしたんでs「少し、例の薬の話を聞きたくてですね、あの研究所から何者かに持ち去られたあの話です。」


「あ、あの件は貴女が担当でしたね…」


「八田美咲から話は聞きました、来てください」


「え、え、伏見く「いってらっしゃーい「伏見くんんnΣ」





*********






「八田ちゃん偉い今日気分良さそうやんけ」



bar HOMRAにて、カウンターからソファに座ってゲームをしている八田美咲に、マスターの草薙が声を掛ける、八田は満面の笑みを浮かべながら其方を向いては、満足げに双眸を眇めては言葉を紡ぐ




「良い事したあとって、なんか気分いいんすよ!」















あんな変態猿もう牢屋にずっといりゃあいい…。










7様リクエストの女体化ですが美咲&猿どちらをにょたにしてもいいとのことで猿ににょたを仕掛けて見たのは良いものの、
ただの猿は変態ですということをおさらいしただけの甘くもないものになってしまたΣ
ごめんなさい、でもにょたです、
こんな俺得な薬が有ったらいいよね。なんてw

リクエスト有難う御座いました!!!





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