シロが無実を証明しました設定です(´-ω-`)




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猿の手、自宅から飛び出してスケボーもなしに走って逃げて、
途中公園を横切ったとき、
確かに聞き覚えのある声と同時に腕を引かれた。
決して弱くも強くもない力でくい、と。
今目に映るのは。
無色と黒。





「やあ、危なかったね赤のクラン、八田美咲クン」



ひらり右手を舞いあげてにこり微笑む眼前の青年こと伊佐那社と
刀に手を掛けて此方を若干警戒している様子の黒狗こと夜刀神狗朗。
彼らは嘗て命を狙ったことのある者達だが今更になれば特に眼中にも入れていなかった。
ただ、今の現状で手を引いてくれたと言うのはきっと、
助けてくれたという解釈であっているというならばそれは感謝以外にすることがない、
伏見を撒けたというならばどことない安心感に包まれた。



「おう、テメェ等生きてやがったのか」



「ひっどいなあちゃーんと無実を証明したんだから死んだとか縁起悪いこと言わないでよ」



だらしなげに頬を緩めて笑う眼前の王に感謝の言葉なんてかけようとするが
其も性に合わなかったものだから口を紡ぐ、
若干冷めた目で伊佐那を捉えるや隣にいた夜刀神が刀、理から手を離す姿が片端に見えた。



「伊佐那社、俺はどうやら命を狙われているらしいこいつを近場まで送ってゆく事にする、大人しく先に帰っておけ」


「いや命狙われてねーし」



「ええ…?!クロ、それは抜け駆けって言うんじゃないの?!僕が八田クン送っていくよ」



眼前の二人がいがみ合いを始めた。
別に送ってほしいなんて頼んでもないし求めてもいない。
此でも伏見とは髪の引っ張り合いも服の引っ張り合いも殴りあいだって、
伊達に済ませてきた訳じゃない故に、普通の喧嘩だと八田が勝てる可能性だって99%あるはずなのだ、
今回の喧嘩は話か違うが。



「八田美咲、青のクランに捕まりたくないと言うのならば俺と一緒にこい」



「…。」



「やっぱ僕とか良いよね」



「…いや一人で行けるし」



この際だからハッキリ言ってやった。
寧ろ躊躇する方が可笑しい、
此処はバッサリいってしまえばよかったのだ。
そう一人で言い聞かせた後二人にひらり手を振って、barの方へと歩みを進めた。
其の時、ぐいと手首を捕まれた、

怪訝な表情を浮かべ乍振り返ったら八田の手を掴んでいたのは夜刀神だと言うことに気付いた。



「なんだよ」


「送ってゆくと言っておろうが!!」


「結構ですっつってんだろ!」


「だから僕が部屋…じゃなくてbarまで送ってくから」「部屋っていいかけたよな部屋って?!」



伊佐那が言いかけた言葉から、心の底から嫌な予感がして、
無理矢理にでも夜刀神の手を振り払った。じりじりと近付いてくる二人の様子を見たらやけに冷や汗が流れて、




気がついたら背を向けて


全力失踪していた。













つ、ついてくんな!!ボケえええ!!


「みぃさあきぃ」「八田クン待って」「貴様待て…!!」「「「…ってお前ら…何ストーカーしてんだ!」」」←










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