紫音さまリクエストの
八田ちゃん総受けのやつです!
続編あります←


物語が八田視点です。





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最近何かとよく色んな人から絡まれる。
色々が誰かって?
そう聞かれると非常に答えにくい。
まあそれでも俺の知り合いだということには変わりない、
そしてまた、其の絡まれたときによく言われる有りがちな言葉がある。

それは――







*******








「八田ちゃん、伏見なんてやめて俺と付き合わへん?」


「…や、遠慮しとく…っす、」




其のたった一言が俺の今の一番の悩みの原因だった。
此処最近“伏見なんてやめないか”とか“あんな変態眼鏡なんて”とか、よく言われる。
確かに伏見は変態で下衆かもしれないがまあ彼奴にも一応良いところはあるはずだ、
きっと、そうなんだ。うん。
じゃなくて何故俺と付き合うなんて言い出したんだろうか眼前の草薙さんは。
青服のツンドラの女こと淡島副長と繋がりが会ったのではないのだろうか、
それとも尊さんと…

いやいやいやいや其は…有るかもしれないけどない、
ことにしておく!そういうことにしておくんだ。

なんて視線だけ草薙さんの柔和に細められた眼に遣りながら
当の頭の中では変な事ばかり考えていたら先程までカウンターテーブルに両肘をついて一定の距離を保って此方を見ていた草薙さんの顔が、
口と口がふれ合いそうな程近くなっていることに気が付いた。


「…っは…」


「おー、八田ちゃん気ぃついたか、ボーッとしてたから目開けたまま寝てんのかと思たわ」



少しでも話したら相手の吐息が掛かって、思わず口を開くのに躊躇してしまう。
にしてもだ、何をしているんだ草薙さん。
つか何を考えているんだ草薙さん。
さっき伏見なんてやめて俺と付き合わへんなんて言われたけどそれもどういう意味すか草薙さん。
全て謎に包まれた草薙の思考に徐にクエスチョンマークを浮かべるや
兎に角今の現状から逃げるが如くバッと退き草薙さんとの距離を取る、
段々羞恥から顔が紅く侵されまともに相手と視線が合わせられなくなって俯いた時だった、
barの扉を開ける際に鳴る扉につけてあるベルの音がからんとなったのだ、
其の音につられるように扉の方をみたら見覚えのある姿、鎌本の姿が其処にあった。


「あ、ちぃーっす八田さん、草薙さん」



「よー、鎌本ぉ、えらい何時もより遅かったやんけ」



「よ、よお!鎌本…!!」



店内を見渡した後、此方に挨拶をしてきた鎌本の表情は何時も通りやんわりとした笑顔で少し安心した束の間、
草薙が鎌本に言葉を投げ掛けている様子を見たら先程のことがまた頭に浮かんで妙に羞恥が沸き起こった、
平常心を保っているように見せる為に俺も鎌本に咄嗟に言葉をかけたが
やけに声が裏返って普段より高い声になり、余計恥ずかしくなったなんて我ながら阿呆だと思う。
鎌本はのそのそと擦れぬ歩調で俺の隣にこれば
カウンター席に腰を下ろす、八田さんは座らないんですか?と小首を傾げられたものだから
少し気迷った後渋々隣に俺も腰を下ろした、
それが馬鹿だったのだろうか。逃げればよかったのだろうか



「で、さっきまでなんの話してたんすか?八田さん妙に顔紅いっすけど」


「…!あっ、鎌本おおおてめええ…ッ」


非常に嫌な流れになった気がする、
あの俺なにも知らないよオーラを振り撒いている鎌本に草薙さんにあんなことを言われたなんて到底言えそうにもない、
草薙さんこそ草薙さんだ、自分が不利になるような発言はしないだろうあの人も大人なんだから。


「やーさっきなあ?八田ちゃんにフラれたんよー」


訂正、子供でした。



なんの躊躇いひとつなさげにさらっとした口調で吐き出したのは紛れもない真実だとは言い難いが、
って草薙さんあれは告白だったんですか。
そういう性分からか呆れた瞳で草薙さんに目を遣っていたら、偶然的に視線が合ってしまい、
数秒後に相手が女がいたらイチコロだろう色気ムンムンの笑顔を向けてきたため一言、困った。
すると先先の躊躇いない草薙発言に耳を貸していた鎌本がへらりと緩んだ笑みを浮かべて此方に視線を移してくる、


「八田さん、やっぱ猿が好きなんすか?」


「…はあ?」


そしてこいつや草薙さん同様なんの躊躇いもなく迷いもなくさらりと一言。
先程から耐えず出てくる伏見猿比古の名前に苛立ちを覚えながらに
返事をしたらかなり感じの悪いものになったかもしれない、
まあとりあえず察してくれ。
びし、と俺との視線をずらさないで射る鎌本の鋭い視線に心底驚いた後に無意識に苦笑いが浮かんだ、



「草薙さんも…鎌本もさっきから何言ってんすか付き合うとかフルとか…っ」


戸惑いから冷や汗が流れて、頬をつたっては地面へポトリと流れ落ちた、
そりゃ俺だって草薙さんのことは好きだ、いやいや好きだけども!それもきっと尊さんに対するような好きだと思いたい、
つか尊さん大好き。




やっと本音を吐き出せて清々しい気分になっていたが束の間
ひとつの気の緩みからか失態をおかすはめになった







**********





「ほんなら八田ちゃん、八田ちゃんは俺のこと嫌いなん?「!…っそんなわけ……ッ」


その質問を投げられたとき正直驚いて、
カウンターテーブルに身を乗り出しつつ言い返したらカウンターテーブルで肘を付いて此方を眺めていた草薙の顔面に頭突きを食らわせてしまった。
なんの躊躇いもなく乗り出した制御ない力をだったから、たぶんものっそ痛かったと思う、
ハッと正気に戻った際、隣の鎌本が少々笑いをこらえているように口を両手で覆っていたものだからこいつには頭突きでなく拳骨を一発食らわせてやった。




*********




「く、くさ…っ草薙さん大丈夫…すか?」



強烈な一撃を食らってしまった草薙はさすがにもう後日からは変なことを言わないだろうと安心の意を持ちながら、
鼻を押さえてへらりと笑う眼前の草薙さんの顔をみる、どうやら鼻に直撃したんだろう俺の頭若干鼻が紅い



「八田ちゃんて意外と石頭なんやね」


「そうなんすかね?」


「そうやてきっと。」



苦笑いを浮かべながらその石頭らしい俺の頭を撫でる草薙さん、
ニット帽越し故に暖かさなどは到底分かりかねるが何か少し和んだ。


その時だった、先先鎌本が店内に入った時のようにからんと扉のベルがなる。

で、其処にたっていたのは今現在此処の話に混ざってほしくないランキング一位の

伏見猿比古だった。




「…美咲、何やってんだよ」


なんて妖笑を浮かべて、











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