遊び足りない
□その十
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『・・・・何これ』
ある土曜の練習中。
跡部は、美代にあるものを渡した。
跡部「金だ」
『見れば分かる』
それはむき出しの札束。
『くれるの?』
美代は首を傾げた。
跡部「ちげえだろ!買い出し行ってこい」
メモも渡す。
『ドリンクの粉、テーピング、湿布、エアサロンパス、グリップテープ、ets・・・・』
美代は金とメモを交互に見た。
『こんなにいらないぞ』
そして、金の8割を跡部に返した。
跡部「・・・・そうなのか」
加減が分からないお坊ちゃんなのだ。
『何処まで行けばいい?』
財布にお金をしまう。
跡部「××市の〇〇に行け」
『・・・・・・嘘!』
美代は目を見開いた。
およそ、15km。
『殺す気か!』
発狂した。
跡部「忍足のチャリを借りろ」
『チャリでも遠いかんな。荷物も多いし』
帰りは最悪だろう。
跡部は親指を立て、素晴らしい笑顔で言った。
跡部「fight!」
『コノ世から消えろ』
しかし結局買い出しに行くはめになる美代だった。