遊び足りない
□その七
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『・・・汚い』
事は美代のこの言葉から始まった。
跡部「汚いだと?・・・・」
跡部は部室を見渡して顔をしかめた。
跡部「たしかに汚ねえ」
何が汚いかと言いますと、個人ロッカーが汚い。
特にジローのロッカーが汚い。
何で分かるかって言うと、はみ出ているから。
色んなものがはみ出してるから。
『・・・・部活は自分のロッカー片付けた人からな』
意外と几帳面な美代は、そのままにしておくことが許せなかった。
『終わったら言ってくれ。あたしがチェックする!』
そして部室掃除が始まったのだ。
日吉「俺は大丈夫だ」
鳳「俺も!」
忍足「俺もええと思うわ」
初めから名乗り出たのは三人。
美代は順番にチェックしていった。
『ぴよし、は綺麗だね』
日吉「当たり前だ」
美代は、濡れ煎餅腐させるなよと言って長太郎のロッカーに移った。
─ガチャ
『・・・・』
─ガチャン
美代は何故か、長太郎のロッカーを開け、すぐさましめた。
日吉「・・・どうした?」
『・・・・(何も見てない、うん)』
鳳「合格でしょ?」
『Yes』
日吉は、心なしか美代の顔色が悪い事に気づいた。
日吉「・・・(こいつロッカーに何入れてるんだよ)」
思いは口に出さず、日吉は長太郎と共に部活に向かった。
何が入っていたかは、ご想像にお任せしましょう。
忍足「俺やな」
次は忍足。
─ガチャ
忍足のロッカーを開け、美代は固まった。
『・・・これ』
忍足「ええやろ?」
ロッカーの中は完全に忍足仕様。
あちらこちらにグラビア写真が張ってある。
『・・・・・』
ービリベリッ!
忍足「ぎゃああ!?」
美代は、無言で全ての写真をはがした。
はがして、丸めて、ゴミ袋にin。
『・・・よし。合格』
忍足「酷い」
忍足は泣きながらも部活に向かった。