AmouR.
□#03.CHILDREN WORLD
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――それは幼稚園の頃のお話。
幼稚園の頃、って言ったら、
女の子はお姫様になりたかったり、王子様を求めたり。
とにかくメルヘンな甘いお話が大好き。
男の子はとにかく強くなりたいと願う。
好きな女の子を守ってあげたい、だとか、悪い奴をやっつけたい、だとか。
理由はさまざまで、今思うと昔は当たり前に思っていた事が恥ずかしく思えたり。
微笑ましいな、って思ったりするもの。
でも私は、そんな乙女チックな考えには興味がなくて。
少しはかっこいい王子様に憧れたりもした。
けど、私は心に決めたコトがあって。
『わたし、大きくなったら髪をきれいにする人になりたいなぁ』
「「わぁ、みう、現実的ー」」
「いいと思います!びようしさんですよね!?」
「みうにはもっと輝いた仕事の方が似合うだろ?」
「かなめくんって簡単にそういうけど」
「芸能人ってなるの意外とむつかしいと思うよ」
「みうはかわいいからだいじょうぶだろ!?」
『ねぇ、かなめって"おんなたらし"なの?』
「は!?」
「「ぷぷっ」」
『たくさんのおんなのこにたくさんいってそうだもん…』
「おれはそんなにかるくねぇ!」
「か、かなめくんはそんな子じゃないですよ!」
わーわー言い合いが始まって、将来についての話は終止符を打った。
普通の幼稚園児と比べて、少し大人っぽく、リアリティーのある話をしてたと思う。
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