キセキと白猫
□Brilliant White
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「ナイスパス!テツ!」
「はい、青峰君もナイスシュートでした」
青峰と黒ちゃんの拳同士が軽くぶつかった。
とても、爽やかな光景。
「峰ちん、黒ちんとほんと相性いいよねー」
「相変わらず、憎たらしいぐらいピッタリなのだよ」
「てか黒子っち、こっちにも渡してほしいっス!」
「キャプテンに言ってください」
「ははっ、ほんと、何でだろうな。テツとは他の事は何も合わねーのに、バスケだけは噛み合うんだよな」
青峰の笑顔。
純粋な、心から笑顔を作っている、そう感じずにはいられない。
「…ちぇ〜、何でっスかねー?」
「…黒子は影なのだよ」
「は?」
「影は光が強いほど濃くなる。つまり強い選手と組むほど黒子も力を発揮する。オレ達も別に黒子と息が合っていないわけではない」
太陽と日陰、の関係と同じだということなのだろう。
陽の無い世界に影はできない。
どちらも、2つで一つ。
今言うなれば、2人で一つの戦力。
「…が、最強は青峰だ。一番黒子と噛み合うということは、ひときわアイツの輝きが強いという事なのだろう」
休憩に入り、皆ベンチに集まってきた。
『みんな、お疲れ様』
順々にタオルとスポーツドリンクを渡していく。
「ありがとう、深織」
『征くん、今日もすごく的確だった』
「それくらい当然だ」
「赤ちんてばカッコつけちゃってー」
「つけてない」
キッパリ即答した征くん。
その隣でむっくんがスポドリを一気に飲み干している。
「今日のうまーい。みおちんが作ったのー?」
『うん、…さつきちゃんはいろいろ頑張ってくれたから…』
「むしろずっとお前が作れば問題ねーじゃん。さつきに食いモンなんて作らせんなよ」
「青峰くん、それはヒドくない?!」
さつきちゃんの料理の腕前は最悪なのは知ってる。
それでも、さつきちゃんは頑張って作るから私は悪い事言いたくない。
『青峰の馬鹿ちん』
「はぁ!?深織、今何つったぁ!?」
『さつきちゃんは頑張ってるのに、そんな事言っちゃだめ…』
「…、…悪かったよ」
「珍しいっスねー、青峰っちが素直に謝っちゃうなんて」
「黄瀬君、白浪さんの後ろ。見てみてください」
「後ろ……ぉ!?」
「(深織を泣かせたら……分かってるよね…?青峰)」
ゴゴゴゴ…と後ろには鬼がいるのではないかと思わずにはいられないような。
「…的な視線っスよね…、アレ」
「そうですね」
TO中の些細な出来事。
さつきちゃんをいじめる人がたとえ幼馴染の青峰でも、許さない…。
「(青峰を睨む深織……可愛い)」
赤司は胸中で萌えていた。
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