キセキと白猫

□Tip off
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モデルの仕事。
忙しかったこの仕事とは今日を持って一旦休戦。
バスケ部に入ったから、まあ自然とそうなるワケだけど。


今日は有名な人気雑誌の表紙と、取材に使う写真を撮り、メイク直しと休憩中のこと。


「黄瀬君、仕事減らすんだって?」

「はあ…部活入ったんで」

「勿体無いなぁ〜…黄瀬君の注目度上がってきたトコなのに」

「っへへ、そりゃどーも」


俺だってモデルの仕事少なくなるのは辛いっスけど…
これも、学生の性分ってやつで。


「ねね、何の部活入ったの?」


担当のメイクさんがそう尋ねた。
オレは少なからず「待ってました」と心の中で思いながら、


「バスケです」


と答えた。


「へえ、黄瀬君て帝光中だよね。確か全国大会常連の」

「らしいっスね。1軍から3軍まであるし…」

「部活に燃えるのも、青春だよね!」

「さぁ、どうっスかね、十分燃えられるか…まだ分かんないっスよ」


そう、燃えられるのかはまだ分からない。
強豪のチームに入ったからには失望させないで欲しいっスけど。


(あの子のことも、何だか無性に気になるし。)


「ん?黄瀬君には気になる子がいるの?」

「…へ?え、何でっスか」

「え?今気になるって言わなかった?」

「あはは、やだなぁそんな事言ってないっスよ」


心の声だだもれかよっ!
内心焦りながらも、表面は何とか誤魔化せたようだ。

気になる、っていうのは、そもそも恋愛対象じゃなくて人としてなんだけど。


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