キセキと白猫
□1年の春
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中学1年生。
私は興味を持ったバスケ部へ足を運んでいた。
興味を持たせてくれたキッカケを作ったのは、
赤眼に赤髪をした幼馴染、赤司征十郎だった。
「バスケは面白いぞ」
にこやかに言う彼を見ていると、
どういうものか、とても気になっていた。
『私も行ってみたい』
「じゃあ俺と一緒に行くか?」
『行きたいけど…さっき家庭部の人に「ちょっとでいいから、寄らない?」って言われたから…それからでもいい?』
「ああ。深織はお菓子作りが好きだしね。行ってみるといいよ」
『ありがと、征くん』
お礼を言うと、微笑んでくれた。
彼の笑顔は結構ドキッとするものがある。
「俺は先に行くが…場所は分かってるな?」
『体育館…だよね?』
言うと、頷いてくれて、頭を撫でてくれた。
昔から褒め言葉より、頭を撫でる征くんはお兄ちゃんのようで安心する。
これから中学1年生になる。
出会いがたくさんある、中学校生活はどんなものになるだろう。
希望を抱いてこれから3年間を楽しく生きていこう。
そう、心に誓った。
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