キセキと白猫
□占いと運
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今日の運勢第1位は蟹座のあなた!
貴方の真摯なお願いが叶う日!
相手も快く承諾してくれるでしょう!
…ラッキーアイテムは――――。
「ふむ…」
ご飯が食べ終わったお椀を置き、箸を置き。
今日も今日とていつも通り通学をする準備をした。
*
「おはようミドリン!」
「おはようなのだよ、桃井」
『んむ…おはよ、緑間』
「おはようなのだよ、白浪」
今日も今日とて、彼女はお菓子を食べている。
今は棒付きキャンディを食べているようだ。
言葉を発する際、口から取り出したキャンディの色は可愛らしい桃色だった為、桃味なのだろう。
「今日のラッキーアイテムはなんですか?緑間君」
「…うおっ!?く、黒子、いつの間に…」
「最初から居ました。…今日は持っていないんですか?」
「…お前、いつもラッキーアイテムを確認しているのか?」
「はい。人間観察が好きなもので」
『緑間、今日のラッキーアイテム…棒つきキャンディでしょ?』
黒子の隣に並んだのは白浪。
「な、何で知っているのだよ」
『今日、偶々おは朝占い見てた。…はい。あげる』
家には生憎お菓子を持ち合わせていなく、どこかコンビニで買う予定で登校した。
だが、お菓子といえば身近に2人もいる。
おは朝占いの言った通り、真摯に向かい合えば。
でも、それは無駄な葛藤になってしまった。
隣の隣に並んだ白浪はこちらに微笑みかけながら、棒付きキャンディを差し出している。
「あ、ありがとうなのだよ、白浪」
『いえいえ。お気遣いなく…。お口に合うかは分かりませんが』
「は?売っている物なら他の飴と変わりないだろう」
「分からないんですか?それは深織さん特製のキャンディですよ」
「はぁ!?」
「うふふ、深織ちゃんの作るお菓子はとっても美味しいんだよ、ミドリン!」
白浪から手渡された緑色のキャンディ。
色からしてメロンだろうか。
自分と同じ色なのは好意だろうか…?
「…美味い」
『よかった』
ちら、と横目で白浪を見る。
キャンディを舐めている白浪は真っ直ぐ道を見つめ歩いていた。
その横顔がいつになく輝いて見えたのは気のせいだろうか。
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