キセキと白猫

□占いと運
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今日の運勢第1位は蟹座のあなた!


貴方の真摯なお願いが叶う日!

相手も快く承諾してくれるでしょう!



…ラッキーアイテムは――――。



「ふむ…」



ご飯が食べ終わったお椀を置き、箸を置き。

今日も今日とていつも通り通学をする準備をした。















「おはようミドリン!」

「おはようなのだよ、桃井」

『んむ…おはよ、緑間』

「おはようなのだよ、白浪」



今日も今日とて、彼女はお菓子を食べている。

今は棒付きキャンディを食べているようだ。

言葉を発する際、口から取り出したキャンディの色は可愛らしい桃色だった為、桃味なのだろう。



「今日のラッキーアイテムはなんですか?緑間君」

「…うおっ!?く、黒子、いつの間に…」

「最初から居ました。…今日は持っていないんですか?」

「…お前、いつもラッキーアイテムを確認しているのか?」

「はい。人間観察が好きなもので」

『緑間、今日のラッキーアイテム…棒つきキャンディでしょ?』



黒子の隣に並んだのは白浪。



「な、何で知っているのだよ」

『今日、偶々おは朝占い見てた。…はい。あげる』



家には生憎お菓子を持ち合わせていなく、どこかコンビニで買う予定で登校した。

だが、お菓子といえば身近に2人もいる。

おは朝占いの言った通り、真摯に向かい合えば。


でも、それは無駄な葛藤になってしまった。

隣の隣に並んだ白浪はこちらに微笑みかけながら、棒付きキャンディを差し出している。



「あ、ありがとうなのだよ、白浪」

『いえいえ。お気遣いなく…。お口に合うかは分かりませんが』

「は?売っている物なら他の飴と変わりないだろう」

「分からないんですか?それは深織さん特製のキャンディですよ」

「はぁ!?」

「うふふ、深織ちゃんの作るお菓子はとっても美味しいんだよ、ミドリン!」



白浪から手渡された緑色のキャンディ。

色からしてメロンだろうか。

自分と同じ色なのは好意だろうか…?



「…美味い」

『よかった』


ちら、と横目で白浪を見る。

キャンディを舐めている白浪は真っ直ぐ道を見つめ歩いていた。


その横顔がいつになく輝いて見えたのは気のせいだろうか。



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