キセキと白猫
□お菓子大好き同盟!
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「みおちん〜お菓子ない〜?」
『ん…あるよ』
ガサゴソとチョコレートの柄の鞄を漁る。
この鞄はお菓子専用らしい。
『…んまい棒でいい?』
「えー、一個だけー?」
『…今から部活だから…我慢して?』
もう一つのんまい棒を口元に持っていって首を傾げる。
そのんまい棒は見せつけだ。
部活終わりにまたあげるよ、という。
いつもなにかしら食べている紫原は今日に限って持ってきたお菓子全てを食べつくしてしまったらしい。
それで、お菓子大好き同盟を静かに発足している2人はお菓子を分け合うのが普通のことになっている。
深織は食べたいものだけを食べるのに、無駄にお菓子を持って来ている。
「んーわかったー」
部活が終わったら頂戴ねー、と間延びした紫原の声を聞きながら「うん」と呟いた。
「深織も紫原の扱いには手馴れているな」
『征くんには負けちゃうけどね…?』
「そんなことないさ」
ぽん、と優しく頭を撫でられると気持ちよさそうに目を瞑った。
「(本当に猫みたいだ)」
『…征くんにもあげるね?』
「あぁ。楽しみにしているよ」
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