キセキと白猫
□美少女とお菓子
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廊下を歩く白い猫。
校内では上位に入るほど綺麗に整った顔立ち。
いつも持ち歩いているお菓子を食べている姿は可愛らしく、男女問わず人気を博する。
そんな視線に気づかず、無表情にぱくりと板ホワイトチョコレートを銜えた。
「深織!」
『さつきちゃん…!』
彼女の後ろから聞こえた声の主は桃井さつき。
彼女も校内では有名な美女で、街を歩けばナンパに出会うほどの美貌である。
そんな彼女を目の前に、深織は瞳を輝かせた。
『どうかしたの?』
「ううん。ただ前に深織がいたから」
ニコリと微笑んだ桃井に微笑み返す深織。
それを見た周りは2人に胸を小さく疼かせた。
『…ポッチー、食べる?』
「うん、ありがとう」
ずい、とピンク色の袋がガサ、と音を立てた。
前を向いていた顔がこちらに向いて、桃井は嬉しそうに微笑み、ポッチーを一つ摘んだ。
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